アジア動向年報
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各国・地域の動向
2018年の台湾 統一地方選挙における与党民進党の敗北
竹内 孝之池上 寬
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2019 年 2019 巻 p. 171-198

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2018年の台湾

概 況

11月の統一地方選挙,特に直轄市や県・市の首長選挙は,蔡英文政権にとって事実上の中間選挙であった。蔡英文総統は与党民進党内の後ろ盾であった陳菊高雄市長を総統府秘書長に任命することで政権や与党内をまとめ,選挙戦に臨んだ。しかし,結果は思わぬ大敗北であった。特に陳菊が市長を務め,民進党の牙城であった高雄市での敗北は大きな痛手となった。

経済では,2018年の実質経済成長率は2.63%であった。年後半から民間消費と輸出の成長率が鈍ったことが前年より成長率が下回る要因となった。また,労働基準法の改正が1月に行われ,3月から施行された。政府は脱原発と再生可能エネルギーに力を入れて洋上風力発電の事業者の決定をする一方,3月には電力のひっ迫のために原発の再稼働を認めた。

対外関係では,中国が台湾への軍事および外交圧力を強めた。3カ国が台湾との断交に応じ,また2019年に台中市で開催予定であった東アジアユースゲームズが中止された。こうした中国による圧力にはアメリカも「現状変更の試み」と非難し,台湾を支援する姿勢を強めた。アメリカ議会においても米台要人の往来を促す「台湾旅行法」や台湾への定期的な武器供与を求める「アジア再保証推進法」が成立し,米台関係の強化が図られた。

国内政治

監察院人事

1月に,監察委員11人が就任した。2014年に立法院は馬英九・前総統による監察院人事案のうち,11人の監察委員を否決し,その分を欠員とした。監察院は国政調査権を持ち,他の国家機関などに瑕疵を是正するよう求める「糾正」や不正行為に対する弾劾を行う準司法機関である。

民進党は憲法を改正して監察院を廃止し,立法院に国政調査権を付与するよう主張しているが,実現の見通しはない。また,監察院は馬英九・前総統が任命した監察委員のみで運営されていたため,しばしば蔡英文政権と対立した。そこで蔡英文総統は2017年3月1日に11人の監察委員候補を指名した。

候補の陣容を見ると,陳師孟(外省人),田秋堇,王幼玲,林盛豊,ワリス・ペリン(瓦歷斯・貝林,先住民),趙永清,楊芳婉ら民進党政権の要職および立法委員の経験者や,高涌誠と張武修ら民進党に近い本土派は監察院廃止論者であった。裁判官出身の蔡崇義は中立で,監察院廃止に反対なのは親民党副秘書長の劉文雄(外省人,回族)のみであった。

野党国民党は候補の大半が監察院廃止論者であるという矛盾を責め立てた。一方,与党民進党内では,政敵であった劉文雄への反発がおさまらなかった。また,立法院では年金改革など重要法案の審議も予定されていたため,監察院人事の審議は先送りされた。その間に劉文雄が7月31日に急逝したため,蔡英文総統は11月6日に法学者の楊芳玲を補足指名した。楊芳玲の夫,姚立明(外省人)は保守派の論客だが,近年は蔡英文総統や柯文哲台北市長を支持してきた。楊芳玲も柯文哲同市長の下で同市法務局長を務めたが,2016年9月に辞任した。

2018年1月16日,立法院では与党民進党の賛成で,11人全員が承認された。新委員の就任(29日)後,監察院では蔡英文政権の立場を支持する決定が増えた。

台湾大学校長選出をめぐる混乱

1月5日,台湾大学の「校長遴選(選出)委員会」(以下,委員会)は同大財政金融系教授の管中閔を選出した。新校長(学長に相当)は2月1日に就任予定であった。しかし,教育部はこれを承認しなかった。当初,問題とされたのは管中閔が大学へ届け出ずに,台湾大哥大(台湾モバイル)の社外役員など(1月11日に辞任)を務めたことや,管中閔の利害関係者である台湾モバイルの蔡明興副董事長(副会長)が中立性を求められる「委員会」委員に入っていたことである。8月16日の監察院による「糾正」決議は,社外役員よりも監査委員や役員報酬委員の方が社内役員との強い利害関係を生むと指摘したが,管中閔の学長就任の是非には触れず,台湾大学と教育部に対話を求めるにとどまった。

3月には管中閔が中国の厦門(アモイ)大学の客員教授などを兼務している疑惑も浮上した。同大学は当初,事実と認めたが,後に「(非常勤講師や各種委員などの)協力者も教員に含めた」と訂正した。また,同大学には蔡明興が董事長を務める富邦金融控股(持ち株会社)の関与する「富邦両岸金融與産業研究中心(センター)」があり,管中閔と蔡明興はここでも利害関係者であった可能性がある。教育部は4月10日と26日に管中閔の中国での活動を検討する省庁間会合を開催した。

この会合では法務部や大陸委員会の出席者が活発に発言した。また,5月3日には徐国勇行政院発言人(報道官)が「台湾大学にも管中閔の兼職状況の確認や『委員会』への報告を怠ったなどの瑕疵がある」と発言し,管中閔の台湾大学学長の就任が教育行政にとどまらず,政府全体の関心事であることを示唆した。

一方,政府の対応に批判的な人々には,教育部が管中閔の学長就任を認めない背景に,管中閔が国民党馬英九政権の閣僚を務めたことがあるとの見方もあった。また,国民党は,蔡英文政権が大学の自治や学問の自由に介入したと猛反発した。

専業政治家でなく,小学校教員出身の潘文忠教育部長は強まる国民党などの批判に耐えかね,台湾大学に学長選出のやり直しを促しつつ,4月14日に辞任した。19日には呉茂昆・前東華大学学長が後任に就いたが,5月29日に辞任し,その在任期間は歴代最短となった。7月16日には大学教員出身の葉俊栄内政部長が教育部長に就任した。この間,国民党などは呉茂昆や葉俊栄にも違法な兼職の疑いがあると指摘し批判をさらに強めた。12月13日には監察院が「大学の自治を軽視して過度な介入を行った」と教育部を批判する「糾正」決議を行った。

結局,葉俊栄教育部長は24日に台湾大学側に学長選出問題に関する説明責任と改善策の立案を果たすよう命じつつ,管中閔の学長就任を裁可し,その翌25日に辞任した。裁可の直前に報告を受けた頼清徳行政院長は再考を求めたが,葉俊栄は応じなかった。蔡英文総統はこの裁可に「驚愕した」と述べた。

対外関係閣僚の異動と陳菊総統府秘書長の就任

2月,頼清徳行政院長は1回目の内閣改造を行った。外交部長には2017年9月に総統府秘書長へ就任したばかりの呉釗燮,国防部長には軍出身で国家安全会議秘書長の厳徳発,大陸委員会主任委員には陳水扁政権でも同職を経験した陳明通台湾大学教授が就いた。外交部長だった李大維は国家安全会議秘書長に,大陸委員会主任委員だった張小月は海峡交流基金会(対中国窓口機関)の董事長(理事長)に就いた。これらの人事は,強まる中国の軍事,外交圧力に備える狙いがあった。

また,4月8日,総統府は陳菊高雄市長が23日付で同秘書長に就任すると発表した(就任は23日)。陳菊は与党民進党の最大派閥「新潮流」に強い影響力を持っており,年末の統一地方選挙に向けた政局の舵取りが期待された。

「促進転型正義委員会」の発足と張天欽・同副主任委員の問題発言

5月31日,国民党独裁時代の不正や政治的迫害の真相究明,被害者の名誉回復,これらに関する資料の収集などを行う促進転型正義(移行期正義促進)委員会が発足した。閣僚級の同主任委員には民進党員で立法委員や監察委員も歴任した,歴史学者の黄煌雄台湾大学教授が就いた。黄煌雄は陳水扁政権の退陣後に馬英九総統に接近し,その指名を得て監察委員に再任され,2012年の総統選挙では馬英九を支持したため,民進党内や同党に近い本土派には反発も見られた。しかし,蔡英文総統は同委員会の中立性を示すため,あえて黄煌雄を推した。

ところが,後に同委員会の中立性には疑念が持たれた。張天欽は8月15日,同委員会内の会議で,国民党の新北市長候補である侯友宜について「移行期正義の最も劣悪な事例だ。我々が何もできないなら口惜しい」と述べ,ほかの一部出席者も同調した。というのも,侯友宜は元警察官で,かつて民主化運動の弾圧にも加担していた。1989年には侯友宜の率いる警官隊が民主化と台湾独立を唱えた雑誌『自由時代』への家宅捜索を試みた。その際,編集長の鄭南榕(後の陳水扁政権で行政院副院長を務めた葉菊蘭の夫)は言論弾圧に抗議して,焼身自殺した。

会議の記録係を務めた同委員会副研究員の呉佩蓉は元警察官で,張天欽の発言に反発し,録音内容を週刊誌に提供した。週刊誌の公刊(9月11日)後,張天欽の発言は「選挙への介入を指示した」として野党や世論の批判を受け,張天欽や同調した出席者らは12日に辞任した。呉佩蓉副研究員も「私が告発した」と明かし,12日に辞任した。一方,黄煌雄主任委員は当初,立法院で「私は委員会内で孤立している」と述べ,批判をかわそうとしたが,結局,10月6日に辞任した。

慰安婦像の設置と日本食品問題をめぐる国民投票の提起

8月14日に国民党台南市党部で慰安婦像の除幕式が行われた。設置者は台南市慰安婦人権平等促進協会だが,国民党台南市党部の謝龍介主任委員が組織したものと思われる。除幕式には馬英九・前総統も出席し,「日本政府は謝罪や賠償に応じていない」と述べ,蔡英文政権には「日本統治時代の問題も移行期正義に含めるよう」求めた。同日,日本側窓口機関の日本台湾交流協会台北事務所の前でも座り込み抗議が行われ,主催者の婦女救援基金会の黄淑玲董事長(理事長)が日本側に抗議文を手渡した。民進党や台南市政府は国民党が慰安婦問題を11月の統一地方選挙戦に利用していると批判した。9月6日には日本人活動家が国民党台南市党部を訪れ,慰安婦像の撤去を求めたが,その際に慰安婦像を蹴るような仕草をした。国民党はその様子を防犯カメラの映像で見て,反発した。

また,福島第一原発事故後の福島県および関東4県産の食品に対する輸入規制は日台間の懸案であり,蔡英文政権はその解除を模索してきた。しかし,国民党の政治家,特に郝龍斌同党副主席(外省人)は「放射能汚染」を強調し,その是非を問う国民投票を提起し,10月24日に「第9案」投票(後掲の 表2を参照)として採択された。これに対し,行政院は「科学的にリスクを評価するべき」との意見書を中央選挙委員会に提出した。中央選挙委員会がこの意見書を公表すると,郝龍斌は投票公示後の宣伝を禁じた公民投票法に違反するとの訴訟を起こした。一方,謝長廷駐日代表は,慰安婦像の設置や日本産食品輸入の規制緩和への反対運動が「親中派」によるもので,「日台関係を破壊する」と批判した。

統一地方選挙

11月24日,統一地方選挙の投開票が行われ,与党民進党が惨敗した( 表1)。直轄市と県・省轄市の首長選挙では民進党が6ポストの獲得にとどまり,前回(13)から半減した。一方,国民党は15ポストを獲得し,前回(6)より躍進した。

無所属候補者も善戦したが,当選は柯文哲台北市市長だけであった。新竹県では小政党「民国党」の徐欣瑩主席が柯文哲の支援を受け,民進党の鄭朝方候補を抑えたものの,国民党の楊文科候補に敗れた。苗栗県では民進党が擁立を見送り,無所属の徐定禎候補が国民党の徐耀昌候補と争ったが敗れた。

特に重視された6直轄市長選挙では国民党が新北,台中,高雄の3市で勝利したほか,台北市でも現職の柯文哲に迫る勢いを見せた。一方,民進党は桃園と台南の2市での勝利にとどまり,台中と高雄の2市長のポストを失った。

高雄市長選挙での敗北は,民進党にとって最大の痛手となった。民進党は1998年選挙以来,同市長の座を占めてきたからである。国民党の韓国瑜候補は外省人で元軍人,「新国民党連線」(統一派政党「新党」の前身)の元メンバーであった。そのうえ,旧台北県(現・新北市)出身で,立候補以前,高雄市とは無縁であった。そのため,選挙戦序盤は民進党の陳其邁候補が優勢であった。

そこで,韓国瑜は台北農産運銷(国,台北市,農会等が出資する青果卸売会社)総経理(社長)を務めた経歴から,「売菜郎」(野菜売りのおじさん)を名乗り,本省人の有権者に親しみ易さをアピールした。ただし,同社社長への就任は妻の李佳芬・元雲林県議員(本省人,客家)を通じて,地方政界や農会(農協)に影響力を持つ張栄味・元雲林県長の支持を獲得したためである。張栄味は汚職容疑で逮捕されたこともあり,このアピールには危うさもあった。

表1  直轄市長選挙の結果(3位までを記載)

(注)候補者名の右は(国)が国民党,(民)が民進党,(無)が無所属。

(出所)中央選挙委員会ウェブサイト( https://www.cec.gov.tw)より筆者作成。

最も効果的だったのは,前回選挙での柯文哲台北市長の選挙戦に倣って,「10年前は愛河(市中心を流れる川)の水が飲めた」,「市の人口(現277万人)を400万から500万人にまで増やす」,「ディズニーランドを誘致する」など,奇抜な言動やその動画のネット掲載であった。10月以降は韓国瑜の支持率が陳其邁を上回った。投票直前には国民党の呉敦義主席が陳菊・前市長を動物になぞらえて揶揄し,謝罪に追い込まれたが,韓国瑜の優勢は崩れなかった。

台北市長選挙では前回と違い,民進党が独自に姚文智候補を擁立した。この背景には柯文哲市長が中国の上海市との都市フォーラムを継続し,そのために「両岸一家親」(中国と台湾は家族)とする中国の標語を唱えたことに,民進党が反発したという事情がある。それでも当初は柯文哲市長が優勢であったが,10月頃から国民党の丁守中候補に追い上げられた。選挙では柯文哲が当選したが,丁守中に約3500票,得票率で0.2ポイント弱まで肉薄された。

新北市長選挙では民進党が蘇貞昌・前同党主席・元台北県(現新北市)長を擁立した。しかし,国民党の侯友宜候補(3月に副市長を辞任)は朱立倫市長の後継者を名乗り,終始,優勢を保ち,14.3ポイント差で圧勝した。台中市選挙では当初,民進党の林佳龍市長が優勢であったが,5月頃に国民党の盧秀燕候補と並び,9月には逆転された。選挙では盧秀燕が14.2ポイント差で圧勝した。台南市では民進党の黄偉哲候補が当選した。とはいえ,当初は国民党の高思博候補の2倍近い支持率を誇ったが,10月頃に変調をきたし,選挙では6ポイント差に迫られた。なお,桃園市長選挙では民進党の鄭文燦市長が終始優勢を保ち,再選された。

民進党の敗因には蔡英文政権への不満のほか,一部には中国によるフェイクニュースの影響を指摘する声もある。あるいは,9月から10月に多くの民進党候補の支持率が落ち込んだことから,前述の張天欽の失言が響いた可能性もある。

乱立した国民投票

統一地方選挙と同時に,10件の国民投票(中国語では「全国性公民投票」)が行われた。これは従来までの実施総数6件を上回り,内容の類似した投票案が多かった。このように投票案が乱立した背景には,2017年12月の「公民投票法」改正がある。必要な提案者数は直近の総統選挙有権者の1000分の5から1万分の1へ,提案受理後の賛同署名数も同有権者の5%から1.5%へと実施条件が大幅に緩和された。また,可決に要する「賛成」の票数も有権者の2分の1から,4分の1かつ「賛成しない」の票数を上回ることへ大幅緩和された。

これら国民投票の結果( 表2)は蔡英文政権のエネルギー政策や性的少数者,国際社会での台湾の名称に関する立場を否定する形となり,統一地方選挙と同様に,政権や与党に打撃を与えた。また,福島県など5県の農産品や食品の輸入解禁にも「賛成しない」が多数を占め,日本との関係を重視する政権を困惑させた。

表2  国民投票の結果

(注)有権者数は19,757,067人。

(出所)表1に同じ。

蔡英文総統の民進党主席辞任と選挙後の政府,与野党の動き

統一地方選挙の開票当日,蔡英文総統は同党主席を辞任した。11月28日の同党中央常務委員会は基隆市長の林右昌を代理党主席に任命した。陳菊総統府秘書長と頼清徳行政院長も辞意を表明したが,蔡英文総統に慰留された。それでも,頼清徳行政院長は12月7日に改めて早期の退任を表明した。

12月4日には,同党中央執行委員会が党主席選挙の投開票日を1月6日と決めた。同選挙には謝長廷駐日代表や蔡英文総統に近い卓栄泰行政院秘書長と,頼清徳の次期総統選挙出馬を望む游盈隆(台湾民意基金会董事長)が立候補した。蔡英文総統は次期総統選挙での共闘も睨み,12月13日に柯文哲台北市長と会談したが,関係改善には至っていない。

民進党が選挙を制した台南市では,同市政界の主導権を握ってきた頼清徳行政院長(前市長)の所属閥「新潮流」への反発も見られた。12月25日の新議会議長選挙では同派に属さない郭信良同市議会副議長が民進党を造反し,他の造反者と国民党や無所属の議員の支持を集め,当選した。

(竹内)

経 済

マクロ経済の概況

2018年の実質経済成長率は2.63%であった。四半期ごとの成長率(前年同期比)をみると,第1四半期3.15%,第2四半期3.29%,第3四半期2.27%,第4四半期1.76%であった。2018年後半からの景気減速は米中貿易戦争の影響などで顕著であった(後述)。年前半には2%以上あった民間消費の成長率は年後半には2%を下回った。また輸出の成長率も年前半は6%以上であり経済をけん引したが,後半には1%台にまで低下した。

財貿易については,輸出総額が前年比5.9%増の3360億ドル,輸入総額が同10.5%増の2866億ドルであり,いずれも過去最高額であった。輸出先上位3国・地域は中国,香港,アメリカ,輸入元上位3国は中国,日本,アメリカであり,中国が占める割合は輸出では28.8%,輸入では18.8%であった。

2018年の中国をのぞく対外直接投資(承認ベース)は638件,142億9456万ドルであり,前年比で136件,27億2135万ドル増加した。とくに,投資額は1952年の統計調査開始後,最高額となった。一方,対中投資は726件,84億9773万ドルであり,前年比で146件増加した一方,投資額は7億5113万ドル減少した。

なお,消費者物価指数の上昇率は前年比1.35%であった。このうち,商品類の上昇率は2.03%,サービス類は0.92%であった。

米中貿易戦争の影響

アメリカが一部中国製品に対して発動した追加関税措置は米中貿易戦争と呼ばれ,台湾にもその影響を与えることとなった。たとえば,株価である。トランプ大統領が3月22日に追加関税措置の発動を決定したことを受けて,世界的な株価急落が起きた。翌3月23日,台湾の株式市場では株価指数である加権指数の終値は前日比182.51ポイント(1.66%)安の1万823.33ポイントとなり,世界的な株価急落の影響を受けた。

台湾では2018年前半は米中貿易戦争の影響は台湾系企業に受注の機会が増えるなど,影響は限定的という考えが支配的であった。しかし,年後半になると中国向けの機械設備や部材輸出に陰りが見え始め,台湾企業や台湾経済全体への影響が顕在化した。また,多くの台湾企業は中国に工場を建設して製品を生産し,それをアメリカに輸出している。そのため,中国で生産した製品に対する追加関税の対象になった場合には,アメリカ市場での売上が減少することになった。

その一方,この米中貿易戦争によって,追加関税措置の対象になった台湾系製造業企業を中心に生産拠点の見直しを行い,東南アジアや市場に近いアメリカやその周辺国などに移転する動きも出ることとなった。また,一部企業では中国以外にある既存の海外工場で増産や生産強化を実施,台湾へ生産回帰する動きも出ている。近年中国との経済関係が緊密化している台湾にとって,米中貿易戦争は大きな転換点となるかもしれない。

労働基準法の再改正

蔡英文総統が就任以後,強力に推し進めたのは労働環境の改善であった。そのひとつは労働基準法の改正であった。この改正は蔡英文総統の就任から半年後の2016年12月に実施され,週休2日制の導入や休日出勤をした場合の手当の増額,7日間に必ず1日は休日出勤を認めない法定休日を設けなければならない制度(七休一制度)などが導入された。この改正については,使用者側は人件費など労働コストの増加やシフト勤務の調整が必要になったこと,労働者側からは純粋な週休2日制度ではなく,労使が合意すれば休日の1日は出勤可能であることなど,労使双方から政府は批判を受けることになった。この改正案の審議の際には,与党民進党が立法院で強引な議会運営をして改正案を成立させたこと,また改正から施行までの時間も短かったこともあり,施行後にさらに批判を招いた。

これらの批判に対する形で,2018年1月に再改正が行われた。主な内容は七休一制度を条件付きで緩和し,2週間以内に法定休日と休日を合計4日とする制度(十四休四制度)に変更するものであった。なお,労使が合意すれば休日2日も出勤日とし,最大12日連続出勤を認める十四休二制度も導入された。この十四休二制度を導入する場合には労使の合意のほか,開始時期,場所,業務内容などの主管機関への申請,認可を必要とした。また,休日の時間外勤務手当も改正し,2016年の改正で4時間未満の勤務でも4時間分の時間外勤務手当を支給するというものから実働時間に基づく支給に変更した。このほかにも,1カ月間の残業時間の上限を従来の46時間から54時間に延長,また3カ月で138時間を超えないこととした。

この改正案は1月10日に立法院を通過し,3月1日から施行された。この改正の際には改正案の撤回を求める野党の時代力量所属立法委員(国会議員)が総統府前に違法な座り込みを実施し,ハンストを決行した。また,一部労働団体がこの改正を阻止するために列車を妨害するという動きもあった。このため,蔡総統は短期間に2回の改正をし,社会に不安を与えたとして謝罪を表明した。所管する労働部は十四休二制度の対象になる38業種を1月末に公表した。しかし,労働組合などの反発が大きく,2月13日には38業種のうち23業種については適用を保留することを発表した。

原発問題と再生エネルギー

蔡英文政権では2025年までの脱原発と同年の総発電量の20%を再生可能エネルギーにすることを目標としている。そのため,蔡英文政権では政権交代後の原発再稼働を原則見送ってきた。しかしながら,2017年8月15日には大潭火力発電所での作業ミスによる大規模停電が起き,電力供給がひっ迫する事態が発生した。これに対して,産業界などからは原発の再稼働を求める動きが起きた。こうした動きに対応する形で,台湾電力は2月5日に行政院原子能委員会(原子力委員会)に対して新北市にある第2原発2号機の再稼働申請を行った。この2号機は2016年5月に再稼働をした際に故障し,その後操業を停止して2017年12月まで修理を続けていた。この申請の背景には,2017年冬の厳しい寒さによる電力需要の増加があった。申請時点では6基の原発のうち,半数が稼働停止をしている状況であった。その後,行政院原子能委員会は3月5日に再稼働を承認した。ただし,政権側は2025年までの脱原発を目標とすることには変わりがない,という立場である。

一方で,蔡英文政権は再生可能エネルギーによる発電拡大にも力を入れている。主なものは台湾海峡における洋上風力発電である。経済部(経済産業省に相当)は4月30日に洋上風力発電事業の受託業者と発電容量の割り当てを公表した。操業は2段階に分け,第1段階は2020年の稼働,第2段階では2021年から2025年の稼働を目指すものである。この事業の投資総額は7000億元,7企業連合が選ばれた。選ばれた企業の多くは欧州系企業であり,台湾からは台湾電力と中国鋼鉄がそれぞれ単独で,上緯新能源がオーストラリア企業と一緒に選ばれた。台湾電力に割り当てられたプロジェクトでは日立製作所とベルギーのJan De Nul社はコンソーシアムで,風力発電システム21基の製造から据付け,5年間の運転と保守作業を一括で受託した。また,日立製作所は11月14日,彰化県政府と洋上風力発電所の運転と開発を円滑に行うために彰化県政府が今後建設する彰化港とその施設,土地利用に関する覚書(MOU)を締結した。

順調に見えた洋上風力発電事業であったが,11月末に経済部が2019年の買い取り価格を前年より12.71%引き下げる案を提示したことに対して,外資系5社が一方的変更であり,認められないと批判する共同声明を11月30日に発表した。また,外資系5社は経済部が電力買取に上限を設けて毎年3600時間とすることに対しても反発した。

11月の統一選挙の際に行われた国民投票では蔡英文政権が目指している脱原発と再生可能エネルギーによる発電に対して厳しい評価が下された。10件の国民投票のうち,エネルギー政策に関係する投票は3件あった。すなわち,2025年までにすべての原子力発電所停止を明記した電業法の条文を削除する,火力による発電量を毎年1%以上削減する,石炭火力発電所の新設・拡張の停止,であった。国民投票の結果,これら3件とも可決された。これらが可決された背景には夏を中心に厳しい電力供給が続き,電力の安定供給に対する不安が強まったこと,電気料金値上がりへの懸念,政府の拙速な脱原発に対する批判などがあげられる。国民投票の結果を受けて,電業法の条文が削除されることになったが,政府側は2025年までの脱原発政策には影響しないと表明し,政府の判断に批判が出た。

プラスチック容器類の段階的全面禁止

近年,世界ではプラスチックごみ,特にマイクロプラスチックの海洋汚染に注目が集まっている。マイクロプラスチックは有害物質を吸着し,食物連鎖によってヒトの体内にも取り込まれる可能性がある。そのため,プラスチックごみをどのように減らしていくかが大きな課題となっている。

台湾では早い段階からプラスチック類の使用抑制を進めてきた。2002年からは政府機関,デパート,量販店など7業種でレジ袋の無料配布を禁止,厚さ制限を設けた。翌2003年1月から段階的にデパートやスーパー,飲食店などで食事をする場合の使い捨て容器の使用を禁止した。2018年1月には薬局やドラッグストアなど7業種でレジ袋の無料配布が禁止され,有料レジ袋の厚さ制限が撤廃された。

この問題を所管する行政院環境保護署は2月21日,2030年までにプラスチック製容器類の使用を全面禁止にすることを発表した。「容器類」に含まれるのは,プラスチック製ストロー,持ち帰り用飲料容器,使い捨て食器,プラスチック製レジ袋である。たとえば,プラスチック製ストローは2019年から大手チェーン店での店内飲食で無料提供禁止,2020年にはすべての店内飲食での無料提供禁止,2025年には持ち帰り分も含めて有料化,2030年には購入もできなくなる予定である。

(池上)

対外関係

中国との関係

中国は台湾への強硬な姿勢をとり続けた。比較的穏和なものには,2月28日に国務院台湾事務弁公室(以下,国台弁)が発表した「両岸経済文化交流の促進に関する若干の措置」がある。これは中国での台湾人の就業や開業に対する優遇措置を31カ条にまとめたもので,2014年の「ひまわり学生運動」の原因が「両岸サービス貿易協定」が台湾の雇用機会を奪うとの懸念であったことを教訓にしたものである。また,9月には中国人とほぼ同じ様式の台湾人向け身分証「台湾居民居住証」を発行開始した。台湾の大陸委員会は反発しつつも,同居住証の取得禁止は困難であるとし,取得時の届け出を義務付けた。

中国は2015年に台湾海峡の中間線と並行する航空路「M503」を設定したが,馬英九政権が「安全保障上の問題がある」と抗議したため,使用を見送った。しかし,2018年1月4日,中国は台湾側と協議しないまま,使用を開始し,また空母「遼寧」に台湾海峡を通過させた。その後も,4月26日と5月11日のH-6爆撃機などの編隊による台湾周回や,6月22日の江凱II型(054A型)フリゲートと蘭州型(052C型)駆逐艦による台湾東部沖の航行など,中国は台湾側に軍事的な圧力を加え続けた。

後述するように中国は台湾と第三国との外交や実務関係にも介入した。中国は航空会社など各国企業にも,台湾を「中国台湾」と表記するよう要求したため,5月にEU,6月にアメリカと日本から批判を受けた。

また,台湾では2020年東京オリンピックでの名義を「中華台北」から「台湾」へ変更するよう求める活動や,その是非を問う国民投票に向けた署名集めが行われた。中国の国台弁は5月30日と6月13日の2回にわたり,「これらの動きは台湾同胞の利益を損なう」と対抗措置を示唆した。7月24日には北京で東アジアオリンピック委員会が開催され,2019年8月に台中で開催予定の「東アジアユースゲームズ」の中止を決定した。11月16日には国際オリンピック委員会が台湾側に名称変更を認めないとの書簡を送付した。台湾の総統府はこれらの決定を中国の圧力によるものと非難したが,東京オリンピックへの出場が危ぶまれたため,オリンピックでの名義変更の是非を問う国民投票は可決されなかった。

このほか,5月には台湾のテレビ局「大愛電視」が戦時中に日本軍の看護婦に志願した実在の台湾人女性を描いた連続ドラマ「智子之心」を放送したが,中国での反発を受け,わずか2回で放送を中止した。これには同局を運営する仏教系NGO慈濟基金会が中国での活動を広げていた事情があった。16日には国台弁も「侵略を美化した」と非難した。一方,台湾では放映中止への批判も起きた。

アメリカとの関係

アメリカは中国が台湾海峡の現状を変更する意図を持っていると警戒し,台湾を支援する姿勢を強めた。1月のM503航路問題では,ブライアン・フック国務省上級顧問が中国側を批判した。4月にはアメリカ軍の台湾駐留や米台国交回復を主張してきたジョン・ボルトンが安保担当大統領補佐官に就任した。また,中国の軍事的圧力に対抗するため,7月7日,10月22日,11月28日の3回にわたり,アメリカ海軍艦艇が台湾海峡を通過した。ジョン・M・リチャードソン海軍作戦部長は10月29日に「今後も通過を継続する」と明言した。

アメリカはエルサルバドル,ドミニカによる中国との国交樹立にも強い危機感を持った。両国やパナマ(2017年に中国と国交樹立)は従来,アメリカと緊密な関係があった。しかし,中国が提案した投資や援助を得るため,台湾との関係維持を求めたアメリカの要請を拒んだ。そのため,アメリカは特にエルサルバドルに「中国の内政干渉を受け入れた」と非難し,また,9月には3カ国に駐在する大使を本国に呼び戻し,対応を検討した。アメリカ在台湾協会(AIT)のジェームズ・モリアーティ理事長も3カ国や中国への対抗措置を示唆した。アメリカ議会上院では,こうした国への制裁を促す「台湾の友邦の国際的保護と強化推進法案」(TAIPEI法案)が超党派で提起された。10月4日にはペンス副大統領がハドソン研究所での講演において,「一つの中国政策」を堅持するとしつつ,中国の台湾に対する圧力を非難し,また台湾の民主主義を支持するよう中国に求めた。台湾の総統府はペンス演説に謝意を示した。

米台関係の緊密化も進んだ。双方の要人の往来を促す「台湾旅行法」が1月にアメリカ議会下院,2月に上院で可決された。3月1日,中国外交部の華春瑩報道官は同法に反対を表明し,国営英字紙 China Dailyも「同法の発効は戦争を招く」とけん制したが,トランプ大統領は同16日に同法に署名し,発効させた。6月にはモリアーティAIT理事長や,マリー・ロイス国務省教育文化担当次官補およびエド・ロイス下院外交委員長(台湾旅行法の功労者)夫妻らが来訪し,AIT台北事務所の新庁舎落成式典に出席した。蔡英文総統はアメリカ立ち寄り(8月)の際,従来と異なる厚遇を受けた(詳細は後述)。11月のAPEC首脳会議では,ペンス副大統領が台湾の張忠謀特使と会談した。12月にはインド太平洋地域の安保協力の強化や台湾への定期的な兵器供与をうたう「アジア再保証推進法」(ARIA)が4日に上院,12日に下院で可決された。中国の馬曉光国台弁報道官は12日に過去の米中合意に反すると批判したが,31日にトランプ大統領が署名し,同法は発効した。台湾外交部はアメリカ政府と議会に謝意を示した。

こうしたアメリカの動きは中国の軍事的脅威に対抗し,中国との「冷戦」に備えるものという見方もある。ただし,アメリカは「米台国防工業会議」(10月28~30日)に厳徳発国防部長の出席を求めたが,厳徳発国防部長は辞退した。また,AIT台北事務所の新庁舎では在外公館と同様,海兵隊が警備する予定であったが,マティス国防長官は人員不足を口実に海兵隊の派遣を見送った。いずれも,中国への配慮と思われる。なお,7月にキン・モイAIT台北事務所長が退任し,8月にウィリアム・ブレント・クリステンセン新所長が着任した。新所長は前任者と同様,国務省職員であるが,入省前には空軍での勤務経験もある。

日本との関係

2018年は相次ぐ日台双方の災害の度に,首脳同士がメッセージを交換した。2月の花蓮地震では日本が倒壊した建物内の捜索を行う救助隊を派遣し,また総理官邸ウェブサイトには安倍総理のお見舞いの言葉を掲載した。当初は「蔡英文総統宛」,「蔡英文総統 閣下」と表記された。これはすぐに削除されたが,その理由はお見舞いが台湾の人々に向けたものであるためと菅官房長官は説明した。安倍総理はSNS上でもお見舞いと「台湾加油」(頑張れ)と書いた色紙の写真を投稿し,蔡英文総統も返信した。また,蔡英文総統は3月11日に7年前の東日本大震災の犠牲者への追悼文や6月18日に大阪北部地震,9月6日に北海道胆振東部地震へのお見舞いを日本語でSNSに投稿した。安倍総理もこれに返信した。

双方の窓口機関は,3月15日と16日に第7回日台漁業委員会を開催し,八重山北方の三角水域での暫定的な操業ルール改定と試行後の再検討で合意した。ただし,3月初めには日本の漁業取締船が違法に操業した台湾漁船に放水や追跡を行い,漁船員がその様子を撮影した動画が台湾側で反響を集めた。委員会では台湾側がこの件に抗議したこともあり,16日の協議は深夜まで続いた。台湾側は後日,日本側の説明を受け入れ,当該漁船に漁業許可の取消や罰金の処分を下した。

また,台湾の新南向政策を支援する「日台第三国市場協力委員会」が発足し,第1回会議が6月14日に東京で,第2回会議が11月28日に台北で開催された。第2回会議の直後,11月29日から30日には恒例の日台経済貿易会議が開催され,(1)通関物流に関する認定事業者(AEO)の相互承認,(2)台日医療機器品質管理システムに関する協力,(3)台日特許の出願・審査情報の交換,(4)台日中小企業支援及び中小企業間の協力の促進,(5)台日若手研究者共同研究事業に関する協力の5分野の覚書や取り決めが締結された。

9月には駐大阪台北経済文化弁事処の蘇啓誠処長(総領事に相当)が豊中市内の自宅で自殺し,14日に発見された。自殺の原因は関西空港閉鎖時(8月)の弁事処の対応に関する虚偽のネット投稿に基づく批判と言われたが,後に逮捕された投稿者は12月15日,南投地方法院により無罪とされた。

正副総統の外遊とAPEC首脳会議への特使派遣

蔡英文総統は8月12日から20日まで外遊し,南米のパラグアイ(14~16日)と中米のベリーズ(16~18日)のほか,アメリカのロサンゼルス(13~14日)とヒューストン(18~19日)に立ち寄った。パラグアイでは同国のベニテス大統領の就任式典に出席し(15日),ベリーズではコルビル・ヤング総督から叙勲された(16日)。ロサンゼルスではレーガン大統領記念図書館での講演やエド・ロイス下院外交委員長(共和党)らと会食し,ヒューストンでは航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターを見学した(19日)。講演の許可や政府機関への受け入れは異例の厚遇であり,中国政府が反発した。また台湾資本の喫茶店チェーン「85℃」は蔡英文総統がロサンゼルス市内の支店に立ち寄った後,中国国内での不買運動に遭った。同社はこれを鎮めるため「1992年コンセンサス」への支持を表明した。

陳建仁副総統は10月,バチカンを訪問して12日から15日まで現地に滞在し,14日にローマ教皇庁の列聖式に出席した。今回の訪問は9月にバチカンと中国が中国の地下カトリック教会の扱いに関する暫定合意をしたことを受けて,バチカンが台湾との断交に踏み切らないよう,カトリック教徒である陳建仁副総統が訴えるねらいもあった。陳建仁副総統は列聖式直前にローマ法王フランシスコと面会し,蔡英文総統の伝言と法王の台湾来訪を希望する旨を伝えた。16日の帰国後,陳建仁副総統は法王が前向きな返答をしたと述べたが,バチカン側は否定した。

10月3日,蔡英文総統はAPEC首脳会議(11月17~18日)に出席する総統特使に張忠謀・前台湾積体電路製造董事長(会長)を任命すると発表した。張忠謀の特使就任は陳水扁政権期の2006年以来,2度目である。張忠謀特使はAPEC首脳会議への出席のほか,17日にはアメリカのペンス副大統領と会談し,二国間FTAの締結を希望する旨などを伝えた。18日には安倍総理と会談し,環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(TPP11)への参加希望を伝えた。

台湾と外交関係を持つ国に対する中国の動き

2018年は中米のドミニカ(5月1日)とエルサルバドル(8月21日),アフリカのブルキナファソ(5月24日)の3カ国が中国と国交を樹立した。台湾外交部はこれを中国側の調略によるものと判断し,同国と断交した。また,パプアニューギニアは1995年以来,台湾と相互承認関係にあったが,2月に台湾の「中華民国商務代表団」に「台北経済文化弁事処」への名称変更を命じ,公用車の外交ナンバーなどの特権も剥奪した。台湾側はこれも中国の圧力によるものと非難した。

台湾と関係を維持する国も,中国の圧力を受け続けている。パラオのレメンゲサウ大統領は7月18日に台湾との関係を維持しつつ,中国にも国交樹立を呼びかけたが,中国は反発して同国への団体旅行を禁止した。その結果,同国と香港を結ぶ航空便は利用客が減少し,運行停止に追い込まれた。レメンゲサウ大統領は11月の台湾来訪時に,こうした中国の圧力を非難した。また,ナウルは9月に太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議を主催した際,域外対話国である中国の代表団に中国のナウルへの扱いに倣い,一般旅券での入国を求めた。すると,中国側や中国から借款を抱える他のPIF加盟国は会議への出席拒否を示唆したため,ナウルは査証に出入国印を押す形で妥協した。会議でも中国の杜起文特使がPIF加盟国首脳より先に発言した上,予定時間を超過したため,議長であるナウルのバロン・ワガ大統領が制止すると,中国側は反発して退場した。

(竹内)

2019年の課題

1月6日の民進党主席選挙では,卓栄泰が当選した。頼清徳行政院長は11日に蔡英文総統の慰留を断り,退任した。その後任として,同職の経験者である蘇貞昌・元民進党主席が任命された。蘇貞昌内閣には院長,陳其邁副院長,林佳龍交通部長と統一地方選挙の落選者3人が入閣した。これにはベテラン政治家の起用で党内基盤を固める狙いがあると思われる。蔡英文総統は2020年の総統選挙での再選を目指すが,民進党内には頼清徳・前行政院長の出馬への期待もある。一方,野党国民党では本省人の呉敦義党主席や王金平・前立法院長,朱立倫・元党主席(外省人)が立候補の意向を示している。

行政院主計総処は2019年2月13日,2019年の経済成長率を2.27%,消費者物価指数の上昇率を0.73%とする予測を公表した。米中貿易戦争による影響で,輸出の成長率が前年比0.19%増まで低下すると予測し,景気減速は避けられないと考えられる。こうした状況下で,蔡英文政権はどのような経済対策を出すのか,注目する必要があろう。また,蔡英文政権は住民投票の結果を受けても脱原発政策自体は続ける姿勢である。しかしながら,政府が脱原発政策を推し進めると,電力の安定供給に問題が起きる可能性がある。また,世論の反発を受け,さらに支持率が下がるというリスクもある。どのような形で蔡英文政権が脱原発政策を続けていくのか,注目されよう。

対外関係では1月2日に中国の習近平国家主席が談話を発表し,一国二制度による統一を主張し,武力行使の放棄を否定する強硬な姿勢を見せた。蔡英文総統はこれに反発し,圧力に屈しない姿勢を強調した。アメリカは1月と2月に軍艦による台湾海峡の通過を相次いで実施して,中国から台湾を守る姿勢を改めて示した。2020年総統選挙での再選を目指す蔡英文総統は,有権者の反中感情にアピールするため,中国側の動きにより強い反発を示す可能性もある。

(竹内:地域研究センター)(池上:開発研究センター)

重要日誌 台湾 2018年
   1月
4日 中国,台湾海峡中間線と並行する「M503」航路の使用を開始。台湾の大陸委員会,「事前協議がなく,一方的」と抗議。
4日 中国の空母「遼寧」,台湾海峡を通過。17日,帰港途中に再び同海峡を通過。
5日 台湾大学校長遴選(選出)委員会,最終投票で管中閔同大教授を選出。しかし,学内外で異論が起き,教育部は同人事を棚上げ。
9日 アメリカ議会下院,台湾旅行法を全会一致で可決。
9日 アメリカのブライアン・フック国務省上級政策顧問,中国が台湾と協議せず,M503航路の使用を開始したことを批判。
10日 労働基準法再改正案,立法院通過。3月1日施行。
16日 立法院,監察委員11人の人事案を承認。
   2月
1日 徐国勇行政院発言人(報道官),中央銀行総裁に楊金龍・同副総裁が就任すると発表。
5日 台湾電力,行政院原子能委員会に第2原発2号機の再稼働申請。
6日 花蓮地震,発生。 花蓮市内でビルや家屋が倒壊。
6日 鴻海精密工業,アメリカのウィスコンシン州に米国本部を設置を表明。
8日 日本の安倍首相,台湾での地震被害に対する見舞いのメッセージを発表。
9日 シンガポール空軍のC-130輸送機,救援物資を届けるため,花蓮空港に飛来。
12日 外交部,パプアニューギニア政府が台湾の「中華民国商務代表団」に「台北経済文化弁事処」への名称変更を命令,また外交特権を剥奪したと発表。
12日 中国商務部,米韓台のスチレンモノマーに対し反ダンピング措置の仮決定を発表。
14日 経済部投資審議委員会,伊藤忠商事の台北101への出資を認可。
21日 行政院環境保護署,プラスチック製品の段階的全面禁止を発表。
23日 徐国勇行政院発言人(報道官),一部閣僚の異動を発表。
26日 呉釗燮外交部長,厳徳発国防部長,陳明通大陸委員会主任委員,李大維国家安全会議秘書長,楊金龍中央銀行総裁が就任。
28日 中国の国務院台湾事務弁公室,「両岸経済文化交流の促進に関する若干の措置」(31条の台湾優遇措置)を発表。
28日 アメリカ議会上院,台湾旅行法を全会一致で可決し,議会を通過。
   3月
1日 蔡英文総統,中華民国全国工業総会の新年会で「イノベーション加速」,「5要素(水,電力,土地,労働力,人材)の不足解消」,「貿易拡大」を経済の重点政策とすることを表明。
5日 外交部,新版パスポートの発行を開始。作成業者が桃園空港と誤認し,掲載された挿絵はシールで隠すことに。
8日 台南地方法院,2017年4月に八田与一像を損壊した李承龍台北市議に懲役5カ月の実刑判決。
11日 蔡英文総統,日本語で東日本大震災への追悼メッセージを発表。
14日 公平交易(公正取引)委員会,2月後半のトイレットペーパー買占め騒ぎを煽ったとし,大潤発(小売り大手)に罰金350万元を課す。
15日 第7回日台漁業委員会,台北で開催。
16日 アメリカのトランプ大統領,台湾旅行法に署名。同法発効。
16日 経済部,4月より電力料金を値上げすると決定。
19日 中国の国務院台湾事務弁公室主任に,劉結一・同副主任が就任。
20日 アレックス・ウォン米国務次官補代理(東アジア・太平洋担当),来訪(~22日)。
26日 田弘茂海峡交流基金会董事長,駐英代表に転任。後任は張小月・前大陸委員会主任委員。
28日 台湾電力第2原発2号機,再稼働後24時間余りで緊急停止。
31日 行政院,黄煌雄・元監察委員を新設される促進転型正義委員会の主任委員に指名すると発表。
   4月
3日 新南向政策の一翼を担う「台湾亜洲交流基金会」,発足。
8日 総統府,陳菊高雄市長が同秘書長に就任すると発表。
10日 蕭万長・元副総統,ボアオ・アジア・フォーラム出席,中国の習近平国家主席と会談。
14日 潘文忠教育部長,辞任。
17日 蔡英文総統,エスワティニ(旧スワジランド)を訪問(~21日)。同国建国およびムスワティ3世国王就任50周年記念式典に出席(17日)。
17日 財務部関務署,中国製鉄鋼製品に対する反ダンピング税等の調査実施を発表。
19日 呉茂昆教育部長,就任。
23日 陳菊高雄市長,総統府秘書長に就任。
25日 中国民航局,各国航空会社に30日以内に台湾を「中国台湾」と表記するよう通達。
26日 中国のH-6爆撃機,Y-8電子戦機,Tu-154情報収集機が台湾を周回飛行。
28日 海洋委員会,発足。高雄市に庁舎を置く初めての中央省庁に。
28日 外交部,中国の圧力を受け,「中華民国駐ヨルダン商務弁事処」が「台北経済文化弁事処」へ名称変更させられたと発表。
29日 日本政府,馮寄台・元駐日代表,廖了以・元亜東関係協会会長,李伝洪・台北市私立薇閣小・中学校董事長を叙勲。
   5月
1日 呉釗燮外交部長,ドミニカが中国と国交樹立したため,断交すると発表。
1日 星宇航空(スターラックス航空),発足。
11日 米台国防工業会議,高雄で開催。台湾での開催は初めて。
11日 中国のSu-35戦闘機やH-6爆撃機などが台湾を周回飛行。
15日 大愛電視台(テレビ局),従軍看護婦を描いたドラマ「智子之心」の放映を中止。中国での「日本軍賛美」との批判に配慮か。
24日 ブルキナファソ,台湾と断交。
29日 呉茂昆教育部長,辞任。
30日 EUの欧州対外行動庁,台湾の表記に関する中国の海外企業に対する圧力を批判。台湾外交部,謝意を表明。
30日 大陸委員会,国連の難民認定を受けた中国の人権活動家,黄燕を保護すると発表。
31日 行政院促進転型正義委員会,発足。
   6月
2日 マティス米国防長官,中国による台湾の表記変更要求を「現状の改変」と批判。
4日 漢光34号(実弾)演習,実施(~8日)。
5日 台湾積体電路製造(TSMC)創業者の張忠謀董事長,引退。
8日 エスワティニのムスワティ3世国王,来訪(~11日)。
10日 マリー・ロイス米国務省教育文化担当次官補,来訪(~14日)。
11日 ジェームズ・モリアーティ米在台湾協会(AIT)理事長,来訪(~14日)。
12日 AIT,新庁舎落成式典を開催。蔡英文総統,ロイス米国務次官補,モリアーティAIT理事長らが出席。
13日 台北地検,王炳忠新党青年部長を中国のスパイに協力した容疑で起訴。
14日 第1回台日第三国市場協力委員会,東京で開催。
18日 蔡英文総統,日本語で大阪北部地震へのお見舞いと支援の用意をSNS上で表明。
19日 外交部,日本航空や全日空の中国や香港向けウェブ上の「中国台湾」表記に抗議。
19日 菅官房長官,台湾の表記に関する,中国による各国航空会社への圧力を批判。
20日 立法院,軍人年金改革関連法案を可決。
22日 中国の江凱II型(054A型)フリゲート,蘭州型(052C型)駆逐艦,台湾東部沖を航行。
22日 李登輝・元総統,沖縄訪問(~25日)。
24日 陳菊総統府秘書長,中国と国民党が主張する「92年コンセンサス」を否定。
   7月
1日 台湾省政府,組織を国家発展委員会に移管。台湾省政府主席も不在に。
7日 アメリカ海軍のイージス駆逐艦マスティンおよびベンフォールド,台湾海峡を航行。
10日 台北地検,馬英九前総統を国民党資産売却に関する背任容疑で起訴。
10日 胡勝正中華経済研究院董事長(理事長),死去。
12日 頼清徳行政院長,16日付で発令予定の7閣僚人事を発表。
14日 キン・モイAIT台北事務所所長,離任。
16日 葉俊栄教育部長,徐国勇内政部長,蔡清祥法務部長,蘇建栄財政部長,呉宏謀交通部長,陳其南故宮博物院長,グラス・ユダカ行政院発言人(報道官)が就任。
24日 東アジアオリンピック委員会,台中で2019年8月に予定だった東アジアユースゲームズを中止。総統府,中国の圧力によるものと非難。
   8月
7日 中華航空とエバー航空のパイロット,スト権確立。スト権行使はされず。
11日 ウィリアム・ブレント・クリステンセンAIT台北事務所長,着任。
12日 蔡英文総統,アメリカ,ベリーズ,パラグアイを訪問(~20日)。13日,レーガン大統領記念図書館で演説し,台湾への武器供与を確約した故レーガン元大統領を称賛。
14日 国民党台南市党部に慰安婦像が設置される。馬英九前総統が除幕式に出席し,日本を批判。
16日 基本工賃審議委員会,2019年1月から最低賃金を2万2000元から2万3100元に,最低時給を140元から150元に引き上げを決定。
21日 外交部,エルサルバドルとの外交関係を断絶すると発表。
29日 陳時中衛生福利部長,アメリカ保健福祉省を訪問,アレックス・アザー同長官と会談。
   9月
5日 産経新聞,陳水扁・元総統へのインタビュー記事を掲載。
5日 アメリカ議会上院の超党派議員4人,「台湾の友邦の国際的保護と強化促進法案」(TAIPEI法案)を提出。
6日 蔡英文総統,北海道地震について日本への支援を表明。
8日 アメリカ国務省,蔡英文政権発足後に台湾と断交した中米のドミニカ,エルサルバドル,パナマに駐在する大使を本国に召還。
12日 張天欽促進転型正義委員会副主任委員,新北市長選挙への介入を示唆した発言につき,引責辞任。
14日 蘇啓誠駐大阪経済文化弁事処長(領事に相当),豊中市内の自宅で自殺。8月の関西空港閉鎖時の対応への批判が原因か。
   10月
4日 ペンス米副大統領,ハドソン研究所で演説,中国の対台湾政策を批判。台湾の総統府,謝意を表明。
6日 黄煌雄促進転型正義委員会主任委員,辞任。
11日 陳建仁副総統,バチカン訪問に出発(~16日)。14日,ローマ法王フランシスコと面会,列聖式に出席。
21日 台湾鉄路の特急プユマ号,新馬駅(宜蘭県蘇澳鎮)通過時に脱線,乗客30人が死亡。
22日 アメリカ海軍のイージス駆逐艦カーティス・ウィルバーとイージス巡洋艦アンティータム,台湾海峡を航行。
28日 米台国防工業会議,アメリカ・メリーランド州アナポリスで開催(~30日)。
   11月
3日 日本政府,許勝雄金宝電子董事長,鄭祺耀台日文化経済協会名誉会長を叙勲。
4日 ジェームズ・モリアーティAIT理事長,来訪(~10日)。
9日 張政源交通部政務次長(元台南市副市長),形式上格下の台湾鉄路管理局長に転任。同局改革の特命を受けたとみられる。
10日 パラオのトミー・レメンゲサウ大統領,来訪。蔡英文総統と会見(12日),台北市内で講演し,中国の圧力を批判(13日)。
16日 張忠謀特使,APEC首脳会議(17~18日)に出席するためパプアニューギニア訪問(~19日)。17日,アメリカのペンス副大統領と会談。
24日 統一地方選挙および国民投票,実施。直轄市・県市長選挙にて民進党が大敗。
24日 蔡英文総統,民進党主席を辞任。
28日 第2回日台第三国市場協力委員会,台北で開催。
28日 アメリカ海軍のイージス駆逐艦ストックデールと補給艦ペコス,台湾海峡を航行。
29日 日台貿易経済会議,台北で開催(~30日)。
29日 蔡英文総統,大橋光夫日本台湾交流協会会長と会談。
30日 行政院原子能委員会,第2原発1号機の再稼働を認可。
   12月
1日 グラス・ユダカ行政院発言人,李応元環境保護署長,林聡賢農業委員会主任委員,呉宏謀・交通部長の辞任を発表。
4日 アメリカ議会上院,インド太平洋における安保協力の強化を促す「アジア再保証推進法」(ARIA)を可決。12日に下院で可決,31日にトランプ大統領が署名し,発効。
13日 蔡英文総統,柯文哲台北市長と会談。
13日 監察院,台湾大学校長人事につき,過剰な介入をしたと教育部を糾弾。
13日 電機大手の大同電機傘下の中華映管,会社更生法申請。
15日 南投地方法院,8月の関西空港閉鎖時に関する虚偽のネット投稿者に対し,蘇啓誠駐大阪弁事処長の自殺の責任を認めず,無罪判決を下す。
18日 立法院,司法院大法官審理案件法の改正および憲法訴訟法への名称変更を可決。憲法審査を非公開の「大法官会議」でなく,「憲法法廷」での公開審理で行うことに。
21日 台中港に到着した中国産豚肉から豚コレラウィルス検出。
24日 葉俊栄教育部長,管中閔の台湾大学校長就任を承認。25日,辞任。
26日 最高法院,民進党の高志鵬立法委員の収賄容疑に関する上告を棄却,有罪が確定。高志鵬は立法委員を失職。
28日 卓栄泰行政院秘書長,民進党主席選挙への立候補のため辞任。
31日 福建省政府,組織を行政院金馬聯合服務中心に移管。福建省政府主席も不在に。

参考資料 台湾 2018年
①  国家機構図(2018年12月末現在)

(注)1)「山地原住民区」のみ例外として,「地方自治団体」とされ,また「区民代表会」が設置される。

(出所)行政院( http://www.ey.gov.tw/),監察院( http://www.cy.gov.tw/)および司法院( http://www.judicial.gov.tw/)ウェブサイトを参照。

②  国家機関要人名簿(2018年12月末現在)

(注)1)*は女性。

   2)下線は行政院会議での議決権を持つ。

   3)点下線ほか,6直轄市の市長が閣議に列席可能。

③  主要政党要職名簿(2018年12月末現在)
④  台湾と外交関係のある国(2018年12月末現在)

(注)1)パプアニューギニア,フィジー共和国とは相互承認関係にある。ただし,パプアニューギニアは2018年2月に台湾側駐在機関の外交特権を剥奪したことから,同国が現在もそう認識しているかは不明である。

   2)1)を除き,台湾と正式に国交を締結している国は17カ国。

   3)2018年5月にドミニカおよびブルキナファソ,8月にエルサルバドルと断交した。

主要統計 台湾 2018年
1  基礎統計

(出所)内政部統計処ウェブサイト( http://www.moi.gov.tw/stat),行政院主計総処ウェブサイト( http://www.dgbas.gov.tw/),中央銀行ウェブサイト( http://www.cbc.gov.tw/)。

2  支出別国内総生産および国民総所得(名目価格)

(注)2014年から2017年は修正値。2018年は暫定値。

(出所)行政院主計総処ウェブサイト( http://www.dgbas.gov.tw/)。

3  産業別国内総生産(実質:2011年価格)

(注)2013年,2016年,2017年は修正値。2018年は暫定値。

(出所)表2に同じ。

4  国・地域別財貿易

(注)2018年は暫定値。

(出所)財政部ウェブサイト( http://www.mof.gov.tw/)。

5  国際収支

(注)2015年から2017年は修正値。2018年は暫定値。

(出所)中央銀行ウェブサイト( http://www.cbc.gov.tw/)。

6  中央政府財政(決算ベース)

(注)2018年と2019年は予算。歳入および歳出には中央政府債発行に伴う収入と償却費が含まれないため,歳入と歳出は一致しない。債務費は中央政府債の利子支払いである。

(出所)表2に同じ。

7  産業別対中投資

(注)承認ベース。

(出所)経済部投資審議委員会ウェブサイト( http://www.moeaic.gov.tw/)。

 
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