アジア動向年報
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各国・地域の動向
2018年のモンゴル 腐敗,不祥事,与党内対立激化で政治の混迷深まる
湊 邦生
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2019 年 2019 巻 p. 95-116

詳細

2018年のモンゴル

概 況

2018年を通じてモンゴルは政治の混乱に揺れ動いた。この年には不祥事による国会議員・現職閣僚の辞職や,汚職容疑による元首相・閣僚の逮捕が相次いだ。とりわけ規模が大きかったのが,食糧・農牧業・軽工業省管轄の中小企業開発基金による疑獄事件であり,疑惑の対象は国会議員・官僚・検察やその関係者らに広がった。さらに,この疑惑への対応をめぐってフレルスフ首相に不満を唱えたハヤンヒャルワー国会議員がエンフボルド国会議長らとともに内閣不信任案を上程すると,フレルスフ首相はエンフボルド国会議長に辞職を要求,同調する国会議員らが国会本会議をボイコットするなど,前年来の与党人民党の内部対立が再び激化した。結果として内閣不信任案は否決されたが,この過程で民主党の一部国会議員が党議員団の決定に反して不信任案に反対,民主党内の亀裂も露呈した。一方でエンフボルド国会議長への辞職要求は止まず,国会本会議は年末まで空転を続けたうえ,民主党の造反議員が一部の人民党国会議員と連携して12月末に国会議長辞任要求デモを決行するなど,2019年に向けて不穏な空気が残った。

経済では,IMF主導の下で拡大信用供与措置(EFF) による経済再建が進展した。第3四半期時点で経済成長率は6.9%,年間の物価上昇率も8.1%と,モンゴル銀行による目標の8%とほぼ同等となった。ただし貿易収支は2年ぶりに赤字に転じ,政治の混乱と連動してトグリグが下落するなど,不安要因も顕在化した。

対外関係では米朝首脳会談のウランバートル開催に向けた動きが話題となった。結果として首脳会談は実現しなかったが,モンゴルが北東アジア地域安全保障問題の仲介者として自身をアピールする機会にはなった。このほか,朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との往来,ロシア・中国・アメリカとの経済外交が目立った。

国内政治

現職国会議員,閣僚に相次ぐ不祥事

2018年には政界および中央省庁でさまざまな疑惑や不祥事が相次いで発覚,辞職者や逮捕者が相次ぐ事態となった。

まず問題となったのが,現職の国会議員による性的強要疑惑であった。すでに前年末から与党人民党所属のガントルガ国会議員による性的強要の疑いが浮上していたが,3月に自らに正式な捜査が及んだことを理由に,同議員は議員辞職の意向を表明した。この時は辞職がすぐに認められず,国会で可否を議論することとなったが,ガントルガ国会議員は4月に検察の要請を受けて出頭すると,国会議員の不逮捕特権の放棄願を国会に提出した。

また,同じ4月には野党民主党のモラト国会議員にも性的強要の疑惑が発覚,首都検察庁から出頭を要求される事態となった。これを受けて,国会では両議員への停職処分を求める声が上がったが,国会本会議は停職の必要なしとの判断を下した。ただ,これに女性議員らが反発,人民党内の意見対立も報じられると,ガントルガ国会議員は6月にあらためて辞職願を提出,国会本会議の承認を得た。辞職に伴う補欠選挙は当初2018年秋に実施する見込みであったが,実施方法に対して憲法裁判所が違憲判断を下したために実現できず,さらに後述する国会の混乱により,2018年中に選挙が行われないばかりか,実施時期すら決まらない事態となった。他方,モラト国会議員は潔白を主張して職に留まるとともに,疑惑報道をめぐってジャーナリストを訴えるなどの動きを示した。

また,8月には道路・運輸開発省で,勤務時間外に省内に残っていた局長級の職員らが飲酒の末に喧嘩を始め,負傷した1人が死亡する事件が発生した。この直後にウランバートルからの長距離客車列車が脱線,横転して重傷者が出る事故も起きたことから,バト=エルデネ道路・運輸開発相が引責辞任に追い込まれた。

これらの不祥事の過程で,前年のエルデネバト内閣崩壊をもたらした人民党内の対立(『アジア動向年報 2018』参照)がいまだ残っていることがあらわとなった。ガントルガ国会議員への処分をめぐっては党内の対応が割れ,道路・運輸開発省での事件では,バト=エルデネ道路・運輸開発相に近い立場の加害者と,エルデネバト前首相と近しい被害者との不和が喧嘩の原因であるとする報道も見られた。このような対立は,後に新たな疑獄をめぐって激化することになる。

オヨー・トルゴイ銅鉱をめぐる疑惑で逮捕者続出

また,外資との鉱山開発契約に絡んだ汚職の疑いで,政・官・財の重職経験者が反腐敗庁に逮捕される事件も相次いだ。まず,反腐敗庁は2015年に行われたオヨー・トルゴイ銅鉱開発・金融契約締結の際に職権濫用があったとして,3月にバヤルツォグト元蔵相の資産を凍結,4月には同氏に加え,アリオンサン元国税庁長官,ビャンバサイハン元エルデネス・モンゴル社最高執行責任者を逮捕した。あわせて,反腐敗庁は海外滞在中であったサイハンビレグ元首相にも,同様の容疑を理由に召喚状を送付した。これに対し,サイハンビレグ元首相は自身の潔白を訴える公開書簡を反腐敗庁長官宛てに送ったものの,召喚には応じて帰国,取り調べを受けることになった。

バヤルツォグト元蔵相,サイハンビレグ元首相は民主党主導の連立政権で要職を務めた民主党員であり,彼らの逮捕には政治的意図の存在を訴える声が民主党から上がった。民主党による批判の矛先は,2009年に政府がアイヴァンホー・マインズ社らとオヨー・トルゴイ銅鉱投資・株式発行契約を締結した当時のバヤル首相(人民革命党,現人民党)に向けられ,民主党は職権濫用や利益提供の疑惑に対する捜査を要求した。結果として,反腐敗庁はバヤル元首相とサイハンビレグ元首相双方に職権濫用や不法な決定があったと判断し,4月10日に両者を逮捕した。

モンゴルでは外資主導の鉱山開発に対し,国民に恩恵が行き渡らず,自国資源が買い叩かれているとして,反感を示す傾向が根強い。そのようななかで,大規模な外国投資を誘致した政治家が逮捕されたことには,国民の歓心を買おうとする政治的意向を疑う声があるほか,モンゴルへの投資に悪影響を及ぼすとの懸念もみられる。また,政・官・財の主要人物に逮捕者が相次いだことを,第二次世界大戦前のスターリン,チョイバルサンによる大粛清になぞらえた批判もある。加えて,逮捕後の手続きも不透明なままである。アリオンサン元長官は5月に,残る4人は6月にそれぞれ保釈が認められているが,公判の予定は本稿執筆時点で明らかとなっていない。

中小企業開発基金疑獄の拡大

10月末,バトトルガ大統領がエンフボルド国会議長に国会解散の協議開催を求める公文書を手交した。この中で,バトトルガ大統領は中小企業開発基金から,国会議員75人のうち約50人が市場水準を大幅に下回る低利融資を受けており,高金利に苦しむ国民の反発を招いているとの批判を展開した。

この批判を皮切りに,国会議員や閣僚・高官とその親族,関係者,関係企業らが中小企業開発基金からの融資を受けていたとの報道が噴出した。まず,中小企業開発基金を管轄する食糧・農牧業・軽工業省のバトゾリグ大臣の妻が融資を得ていたと報じられ,同大臣は人民党国会議員団からの要求を受けて辞意を表明した。また,疑惑に対して反腐敗庁が食糧・農牧業・軽工業省の捜査を開始,政務次官や中小企業開発基金代表・副代表を含む職員を拘束した。さらに,関連企業による基金からの融資受け取りが報じられたフレルバータル監査庁長官がエンフボルド国会議長の要請で辞職したのに加え,バトトルガ大統領の側でも,ガンバト大統領員外顧問の関係企業や,ツェセン大統領官房報道官の配偶者の企業が融資を受けていたことが判明,両者とも辞職を余儀なくされた。このほか,融資受け取りの疑惑はフレルスフ首相の兄弟に加え,バヤルトサイハン・モンゴル銀行総裁やアムガランバータル次長検事など,政府外にも及んだ。問題の広がりを受けて社会の反発も表面化し,モンゴル商工会議所が中小企業開発基金を含む政府系基金の監査等を要求,実現されない場合は納税を拒否すると通告した。さらに,非政党青年運動「ネフール」と称する団体が登場し,融資を受けた国会議員の責任を問うデモをスフバータル広場で挙行したほか,記者会見で問題に関わった国会議員の不逮捕特権停止を要求した。

一方,バトトルガ大統領が主張する50人ほどではないにせよ,国会議員に関する融資疑惑の報道も相次ぎ,反腐敗庁が疑惑の向けられた議員の家族・友人を含めた捜査に着手した。さらに2大政党の国会議員団長にまで疑惑が及ぶと,両者ともこれを否定,逆にフレルスフ首相への批判の声を上げた。エルデネバト民主党国会議員団長は,中小企業開発基金による意図的な融資提供がフレルスフ首相に近い議員に対して行われていたと主張した。他方,ハヤンヒャルワー人民党国会議員団長はフレルスフ首相に加えてバトトルガ大統領も対応が不十分であると批判,さらに融資を受けた閣僚に対する解任案の国会上程をフレルスフ首相に要求し,国会議員に対する道義的責任を問うようエンフボルド国会議長に求めた。ところが,この要求に対してゾルバヤル首相広報官がフレルスフ首相を擁護すると,フレルスフ首相は人民党執行部会議を開催,ハヤンヒャルワー団長の解任を画策した。これに反発したハヤンヒャルワー団長はフレルスフ内閣の不信任案上程に向けた準備を開始したが,その間に人民党国会議員団がハヤンヒャルワー団長の解任案を協議,僅差ながら承認に持ち込んだ。ハヤンヒャルワー団長は決定を受け入れたものの,内閣不信任案の賛同者集めを加速させることになり,首相との対立は決定的となった。ここに至って,焦点は疑惑の暴露から人民党内の権力争いへと移った。

フレルスフ首相派と反首相派,内閣不信任案と国会議長辞職要求で全面対決

人民党国会議員団長を解任されたハヤンヒャルワー国会議員は,フレルスフ首相が中小企業開発基金疑獄に関連した国会議員を擁護しており,憲法で定められた職務を遂行する能力がないとして内閣不信任案を作成,国会に上程した。不信任案に署名した議員は最終的に30人を超え,その中にはエンフボルド国会議長とエンフ=アムガラン国会副議長や,フレルスフ首相とともに前政権を構成したエルデネバト前首相とムンフ=オルギル前外相が加わった。さらに,先述の不祥事で内閣を追われたバト=エルデネ前道路・運輸開発相や,現職のツォグゾルマー教育・文化・科学・スポーツ相までもが署名を行った。フレルスフ首相は前政権で副首相を務めながら首相解任に賛成しており,今度は自らが現職閣僚の攻撃を受ける側となった。

ところが,エンフボルド国会議長の動きに反発する人民党・民主党の国会議員らは,自ら署名した法案の上程を議長自らが受けることに異議を唱えるとともに,エンフボルド国会議長に対して辞職を要求した。さらに,議員の一部が国会本会議を欠席する戦術に出たことから,定足数不足により国会本会議が開けない事態に陥った。この背景には,エンフボルド国会議長が8月にバトトルガ大統領らから臨時国会招集の要求を受けながら応じなかったことや,エンフボルド国会議長やバトボルド首都知事兼ウランバートル市長が売官を企てたとする,いわゆる「600億トグリグ問題」について,事実関係の解明が進んでいなかったことで,エンフボルド国会議長に対する反発がくすぶっていたことが挙げられる。

フレルスフ首相はこの動きに乗じ,自らも本会議への出席を取り止めた。さらに,フレルスフ首相は国会に議席を有しない政党10党以上に加え,先述の「ネフール」からの支持も取り付けた。この対立の最中,11月に行われた人民党幹部会では,フレルスフ首相が演説でエンフボルド国会議長とハヤンヒャルワー国会議員を非難したのに対し,エンフボルド国会議長は自身に反対する国会議員らに対し,民主党との野合を批判した。ただ,幹部会では秘密投票の末にエンフボルド国会議長への辞職要求が承認されたほか,ハヤンヒャルワー国会議員が幹部会構成員から外れることになり,情勢は徐々にフレルスフ首相に有利になっていった。

フレルスフ首相不信任案否決とその余波

11月末,国会本会議で内閣不信任案の審議が行われた。人民党国会議員団は不信任案に反対を決定していたが,国会予算常任委員会での審議では可決され,本会議へ送られた。しかし,11月30日の本会議ではエンフボルド国会議長,ハヤンヒャルワー国会議員らに加えて民主党国会議員団は賛成に回ったものの,人民党国会議員の反対に加え,民主党からもバトザンダン国会議員,ボルド国会議員,モラト国会議員が反対票を投じたことから,不信任案は反対多数で否決された。

不信任案の否決により,人民党内でのフレルスフ首相の影響力はさらに強まった。フレルスフ首相は自身に反旗を翻したツォグゾルマー教育・文化・科学・スポーツ相の解任を決定,中小企業開発基金問題ですでに辞意を表明していたソドバータル道路・運輸開発相とあわせて解任案を国会に上程した。一方,民主党では議員団に造反したバトザンダン国会議員とボルド国会議員,モラト国会議員に対し,期限付きでの除名ないし党公認取り消し等の処分を行った。しかし,議員らはこの処分に反発,バトザンダン,ボルド両国会議員は民主党国会議員団からの離脱を表明した。しかし,議席減により国会議員団の構成要件を失いかねない民主党は両議員の離脱を認めず,2018年末時点で両議員の地位は不明である。

他方,大統領選挙に続いての敗北を喫したエンフボルド国会議長に対しては,議長辞職を求める動きが加速した。エンフボルド国会議長の辞職を求める国会議員らは,フレルスフ首相不信任案否決後に国会本会議のボイコットを続け,国会本会議は年末まで空転を続けた。エンフボルド国会議長は事態打開のため,議長権限をエンフ=アムガラン国会副議長に一時委譲する措置を取ったが,辞職要求の声は収まらず,むしろ民主党国会議員団も要求に加わることとなった。

そして,議長辞職要求の急先鋒となったのが,先述のバトザンダン国会議員とボルド国会議員,人民党のアヨールサイハン国会議員とオヨーン=エルデネ国会議員であった。4人は12月に国会内での座り込みやスローガンを掲げたアピールを行ったのに続き,他の議員も加えて記者会見で辞職要求をあらためて訴えた。さらに,同月27日には「ネフール」をはじめとする団体や中小政党と合同で,エンフボルド国会議長辞職要求のデモをスフバータル広場で決行した。これらの動きにより,議長辞職要求の主役はデモ主催者らに移った感があるが,フレルスフ首相にとっては,自らの手によらずとも政敵を攻撃可能になったともいえる。

もっとも,このような政治上の動きが一般国民の理解や支持を得ているかは疑問である。11月の人民党幹部会では議事が非公開になったことで,議場に入れなかった党員が反発,アマルバヤスガラン書記局長の辞任を求めるデモが発生したほか,メディアが抗議の意を示すべく報道をボイコットした。エンフボルド国会議長辞職要求についても,中小企業開発基金問題を置き去りにした政争であるとの批判に加え,バトザンダン国会議員らの動きを新たな人民党・民主党の野合と揶揄する声も上がっている。加えて,中小企業開発基金問題で渦中の議員が年末の国会議長辞職要求デモに参加したことへの批判も起こった。不祥事や疑獄事件,政争が繰り広げられた中で,国民の政治不信が強まったことが懸念される。

スフバータル広場で行われたエンフボルド国会議長辞職要求デモ(12月27日,ロイター/アフロ)

経 済

経済成長拡大も,貿易赤字が再拡大

前年に下げ止まりを示したモンゴル経済は,2018年に成長幅を再拡大させた。2018年の実質GDPは前年比で6.9%増加しており(Mongolian Statistical Information Database. 以下,2018年の統計数値はすべて予測値に基づく),通年でも前年と同程度以上の成長率が見込まれる。支出面では,総資本形成が前年比で27.2%増加しており,これが成長率に寄与した形となった。また,民間最終消費支出も同3.9%増と堅調であった。

ただ,モンゴル経済の成長率が高い時期には,物価上昇,貿易の赤字化や赤字幅拡大,中国への輸出依存度上昇の懸念が生じる。このうち物価上昇については,2018年の消費者物価指数の上昇率が8.1%となっており,前年の6.4%を上回っている。もっとも,これはモンゴル銀行による2018年の消費者物価指数上昇率の目標値8%とほぼ同水準であり,物価上昇を抑え込めたとの評価も可能である。

むしろ懸念されるのが,貿易赤字と対中依存である。2018年の貿易・サービス収支は7億3950万ドルの赤字と,2年ぶりに赤字に転じた。輸入増加を受け,貿易黒字が2017年の14億7420万ドルから2018年には6億9060万ドルに減少したうえ,輸入超過が続くサービス収支において,赤字幅が2017年の12億740万ドルから2018年には14億3010万ドルに拡大したことが響いている。また,モンゴル国税関総庁による貿易統計を見ると,2018年には石炭・銅精鉱といった鉱物資源の輸出が増加したものの,金の輸出が前年の4分の1未満に激減したため,輸出全体の伸びが抑えられた ( Socio-economic Situation of Mongolia, 2018年12月号)。反面,輸入額は燃料や乗用車・トラック・公共輸送用機器,砂糖,コメといった主要品目で増加しており,収支を圧迫する結果となった。

さらに,2018年には最大の貿易相手国である中国への輸出が65億4282万3600ドルと,前年から23.6%増加した。これは輸出全体の上昇率を大きく上回り,結果として対中国輸出がモンゴル国税関総庁の算出した輸出総額に占める比率は93.3%に達した。モンゴルの中国経済への依存,とりわけ輸出面での全面的ともいえる依存は長年の懸案であるが,解決に向けた動きは見られない。

IMF支援下で進む経済再建と課題

2017年2月に開始したIMFによる拡大信用供与措置(EFF)は,2018年も引き続き実施されている。EFFでは段階的に措置の実施状況について評価を行い,その結果を受けて次の段階の融資が行われる。2018年の11月末には第5段階の評価が終了しており,その後は第6段階の評価作業が行われている。

IMFによるこれまでの評価では,措置の実施状況はおおむね良好となっている。また,1月には格付け機関ムーディーズがモンゴル国債の投資格付けを「Caa1」から「B3」に引き上げたほか,7月にはフィッチ・レーティングスがモンゴルの長期外貨建て発行体デフォルト格付け(IDR)を「B-」から「B」に引き上げ,11月にはS&Pグローバル・レーティングがモンゴルの信用格付けを「B-安定的」から「B安定的」に引き上げるなど,国際的な評価も改善されつつある。

一方で,IMFはモンゴル経済に対し,国内・国外のショックに対する脆弱性が残るとの指摘も与えている。とりわけ,国外ショック要因として注目されるのが,通貨トグリグの下落である(図1参照)。対ドル相場で見ると,トグリグは2018年前半こそ安定していたが,7月から徐々に下落を始め,9月以降下げ幅を拡大させた。下落は10月にいったん収まったものの,政治の混乱が激化した11月には再び加速,モンゴル銀行が11月に政策金利を10%から11%に引き上げることとなった。12月に入ると下落は鈍化したものの,先述のとおり政治の混乱は続いており,今後も予断を許さない。

図1  トグリグ対ドルレート(2018年1月1日~12月31日)

(出所)モンゴル銀行ウェブサイト。

国内に目を向けると,相次ぐ賃上げ要求と子ども手当拡充を求める動きが焦点となっている。5月にはモンゴル医師・医療労働者組合連合がIMFに対して給与水準引き上げの要望書を提出すると,6月にはモンゴルの労働組合のナショナルセンターであるモンゴル労働組合連合がIMFに対し,公務員の賃上げや生活水準改善の要望書を送付,その後交渉の末に産官労三者会議で賃上げの合意がなされた。9月にはモンゴル教員・科学労働組合連合がウランバートルおよび地方各地で2週間にわたるストライキを決行し,政府から賃上げ決定を引き出した。

一方,子ども手当については,対象世帯の拡大自体は広く合意がなされており,むしろ実際にどこまで対象を拡大するかが議論の的となった。バトトルガ大統領は18歳以下の子どもがいる全世帯を対象とする国会決定を出すよう提案したが,国会はこれを認めず,5月末に内閣が提案した18歳以下の子どもがいる世帯の80%を対象とする案を国会決定として可決した。IMFは以前より子ども手当の増加を事実上容認しており,6月に来訪した古澤満宏IMF副専務理事も,エンフボルド国会議長との会談の中で,国会決定を支持することを明らかにした。

子ども手当をめぐる議論にも見られるとおり,モンゴルとIMFとの間で,EFFの実施に関する根本的な対立はない。さまざまな要求を出している労働組合の側も,EFFの停止までは求めておらず,IMF側も順調な措置実施状況と経済回復を背景に,政府・労組側の要求を容認する構えである。ただし,今後も経済回復が続けば歳出拡大への期待が高まると見込まれる一方,IMFは財源について注意を喚起しており,政府のバランス感覚が問われる。

対外関係

対北朝鮮外交,米朝首脳会談誘致を軸に北東アジア地域安全保障問題に関与

2018年のとくに前半は,モンゴルが北東アジア地域の安全保障問題で脚光を浴びることとなった。この年は北朝鮮との国交樹立70周年に当たり,モンゴル国内でも祝賀行事が行われたのに加え,要人の往来も相次いだ。

モンゴルからは2月にツォグトバータル外相が北朝鮮を訪問,金永南最高人民会議常任委員会委員長,李容浩北朝鮮外相,李洙墉朝鮮労働党中央委員会副委員長・外交委員長らと会談した。とくに金永南委員長との会談では,モンゴル・北朝鮮国交樹立70周年記念の祝賀行事を合同開催することで双方が合意したのに加え,モンゴルがエルベグドルジ前大統領の提唱で開始したウランバートル対話イニシアチブについて,金永南委員長が支持を表明した。4月にアマルバヤスガラン人民党書記局長の北朝鮮訪問が行われ,金永南委員長らと会談した。9月にはエルデネ民主党党首・国会議員率いる代表団が訪問,金永南委員長,李容浩外相,朴泰成党中央委員会副委員長らと会談,建国70周年記念行事に参加したほか,北朝鮮バスケットボール協会会長との協力覚書に相互署名した。また,同月には国連総会出席のため訪米中のツォグトバータル外相が,李容浩北朝鮮外相と会談し,国交樹立70周年記念事業と,北東アジアの平和と安全保障について意見交換を行った。

一方,北朝鮮からは6月には太炯哲金日成総合大学総長が来訪,エンフボルド国会議長と会談したほか,モンゴル国立大学との間で協議を行い,大学間協力について合意した。12月には李容浩北朝鮮外相が来訪,国交樹立70周年記念に際して合意した事業の進捗確認,文化,教育,スポーツ,人道分野での協力について,ツォグトバータル外相と会談した。さらに,エルデネ民主党党首・国会議員との間では,バスケットボールの2カ国合同練習実施で合意した。

対北朝鮮外交でとりわけ世界の注目を集めたのは,米朝首脳会談のウランバートル開催に向けた動きであろう。このきっかけは,3月にエルベグドルジ前大統領がトランプ米大統領に対し,米朝首脳会談のウランバートル開催を提案するツイートを送ったことであった。これに続いて,同じく3月にエンフボルド大統領官房長官がオ・スンホ駐モンゴル北朝鮮大使と会談,米朝首脳会談をモンゴルで行うことが十分に可能であると提案した。

4月に入ると,エルベグドルジ前大統領が自身のブログで米朝首脳会談に関するエントリを投稿,ウランバートル開催の利点を英語でアピールした。モンゴル国内では米朝首脳会談のウランバートル開催の可能性について,外国報道を引用する形での報道が見られた。しかし,5月には対外関係省が記者会見を開き,米朝首脳会談の開催希望を公式には出していないと明らかにした。さらに警備上の問題が理由となり,結局ウランバートルでの米朝首脳会談開催は見送られた。

この間,ウランバートルでの会談開催に積極性を示したのは民主党側の新旧大統領と関係者であり,人民党が構成する政府は表立った動きに乏しく,モンゴル国内が誘致に向けて一枚岩であったとは言い切れない。その点で,会談開催には警備上以外にも課題が存在していた。また,シンガポールで行われた米朝首脳会談直後には,「ウランバートル対話イニシアチブ」第5回国際会議が開催され,同月には第3回北東アジア市長フォーラムも同市で開催されていたことから,そもそも会談開催が時期的に可能であったかどうかも疑問である。

ただ,ウランバートルが米朝首脳会談という国際的に注目を集める報道にたびたび登場したことで,モンゴルが北東アジア地域安全保障問題の仲介役として存在感を示せたとは言えるだろう。加えて,「ウランバートル対話イニシアチブ」第5回国際会議の会期中には日本と北朝鮮の当局者が非公式に接触したことが報じられており,両国関係者は10月にもウランバートルで接触したとされている。さらに,12月にはフレルスフ首相が訪日,日本人拉致問題での協力継続で合意するなど,北東アジア地域安全保障問題に関して,モンゴルは積極的に関与する姿勢をアピールし続けている。

経済重視の外遊を進めるバトトルガ大統領

2017年に外交面でほとんど動きを見せなかったバトトルガ大統領は,2018年も当初は外国訪問を行わず,地方各県の視察を優先していた。しかし,6月以降には青島での上海協力機構(SCO)首脳会合に出席するとともに,会期中に行われたモンゴル・ロシア・中国3カ国首脳会談にも出席した。この席で,バトトルガ大統領は3カ国間の経済回廊への建設着手,運輸相会談の設定,観光部門での協力拡大という3つの提案を行った。また,ロシア・中国間パイプライン建設に際し,モンゴル経由に対する期待感を表明した。

9月に入ると,バトトルガ大統領は前年に引き続き,ロシア・ウラジオストクでの第4回東方経済フォーラムに出席した。ここでは北東アジア国際電力網「北東アジア・エネルギー・スーパーネットワーク」の建設を提起したほか,プーチン・ロシア大統領と習近平中国国家主席との会談を行った。また同月にはアゼルバイジャンを訪問,アリエフ大統領との会談で経済分野の協力について意見交換を行うとともに,同国経由でのモンゴル製品の近東諸国輸出への支持を取り付けた。10月後半には欧州を歴訪,ブリュッセルでの第12回アジア欧州会合(ASEM)首脳会合,ジュネーブでの国連貿易開発会議(UNCTAD)世界投資フォーラムに出席した。

これらの外遊で主に話題となったのは経済関係の強化であった。とくに10月の訪欧時には,メルケル独首相との会談で両国間の経済関係拡大,ウランバートル近郊での環境都市建設について意見を交換したほか,フック・ベトナム首相との会談では,毛糸,皮革の対ベトナム輸出と砂糖,コーヒー,野菜,果実の対モンゴル輸出が話題となった。またバトトルガ大統領はヴァラッカー・アイルランド首相,ソールベルグ・ノルウェー首相とそれぞれ会談,アイルランドの乳製品輸出および観光拡大政策,ノルウェーの資源管理政策に関心を示した。

他方,エルベグドルジ前大統領が毎年出席していた世界経済フォーラムおよび国連総会には,バトトルガ大統領は 2018年も出席しなかった。また,バトトルガ大統領は以前より指摘されてきた外遊の少なさについて,外遊による支出増大を抑えることを理由に挙げている。予算節約については以前から主張していることであり,積極外交を展開したエルベグドルジ前大統領との違いがこの年にも浮き彫りとなった形である。

その他の対外関係の動き

上記以外では,モンゴルのSCO正式加盟の是非や,アメリカでの通商法案の進展が特筆される。モンゴルは現在SCOにオブザーバーとして加盟しているが,2018年の前半には,さらに正式加盟国に申請すべきかどうかが議論となった。正式加盟については,経済面での交流拡大等からバトトルガ大統領やフレルスフ首相が前向きな姿勢を見せたが,他方では現時点での加盟が性急であるとする意見もある。また,国会では加盟の意義と目的については議論が必要との意見が出たものの,後の混乱の中で議論は進んでおらず,宙に浮いた状態になっている。

また,アメリカでは米モンゴル友好議員団共同代表を務めるヨーホー下院議員・タイトゥス下院議員を中心に,モンゴルからの縫製品の関税免除等が盛り込まれた「第3の隣国通商法案」(Third Neighbor Trade Act)の策定が進められた。5月にはツォグトバータル外相が訪米,同法案についてヨーホー議員らと会談しており,7月には法案が米下院へと提出されると,バトトルガ大統領が全面支持を表明した。さらに9月にはヨーホー議員らが来訪しており,バトトルガ大統領やエンフボルド国会議長らと同法案について協議を行った。

2019年の課題

2019年には辞職したガントルガ国会議員の補欠選挙が予定されている。ただ,人民党,民主党どちらも党内の混乱収拾が目下の課題であり,選挙に向けて万全の体制とは程遠い。人民党ではフレルスフ首相が権力を拡大しているものの,首相に敵対的な態度を隠さない国会議員も残っているほか,中小企業開発基金疑獄に対する国民の不信感も消えていない。他方,民主党も内閣不信任案への対応をめぐって生じた亀裂から,国会での影響力が低下している。そのような中で,人民革命党,またボルド国会議員らの一派の動きが注目される。とくに,人民革命党ではエンフバヤル党首が公民権を回復しており,立候補すれば当選の可能性は十分にある。そうなるとフレルスフ首相には打撃であり,人民党の内部が再び流動化することも考えられる。

経済面では, EFF最終年となる2019年には,経済安定化政策の成否が問われることとなる。喫緊の課題はトグリグの再安定化であり,それ以外にも貿易赤字の拡大防止や外国投資の呼び込みが焦点となる。ただ,これらに対しては政治の混乱や,世論受けをねらった資源ナショナリズムが足かせとなる懸念がある。

対外関係では,バトトルガ大統領は2019年中に,ロシア,中国の両隣国に加え,アメリカ,インド,欧州諸国を訪問する意向を示している。このうちロシアとはハルハ河会戦(ノモンハン事件)80周年,中国とは国交樹立70周年の節目を迎えるため,モンゴルと両国にとっては友好関係を誇示する年となろう。むしろ問題は,モンゴルがこの節目を経済面の成果にどうつなげるかである。そして,ここで名前の挙がらなかった日本との関係の行方も見逃せない。

(高知大学准教授)

重要日誌 モンゴル 2018年
   1月
4日 人民革命党(エンフバヤル派),バーサンフー国会議員を除名。
12日 モンゴル労働組合連合,増税・社会保険料値上げ,年金改革反対全国デモ決行。
15日 フレルスフ首相,訪韓(~17日)。文在寅大統領らと会談。
23日 ツォグトバータル外相,ソミヤーバザル鉱業・重工業相,ダボスでの世界経済フォーラムに出席(~26日)。
23日 チンゾリグ労働・社会保障相,ポーランド訪問。
30日 バト=エルデネ道路・運輸開発相,訪中(~2月2日)。李小鵬交通運輸部長と会談。
   2月
1日 民主党,全国で反政府デモ。
3日 ツォグトバータル外相,北朝鮮訪問(~6日)。金永南最高人民会議常任委員長らと会談。
7日 ツォグゾルマー教育・文化・科学・スポーツ相,訪韓(~12日)。
7日 人民革命党(エンフバヤル派),第2回党大集会開催(~10日)。
21日 ツォグトバータル外相,訪日(~25日)。河野外相らと会談。
26日 エンフトゥブシン副首相,ロシア訪問(~28日)。ドヴォルコヴィチ第一副首相らと会談。
   3月
4日 ソミヤーバザル鉱業・重工業相,トロントでの第3回国際鉱業相会議に出席(~7日)。
7日 ツェレンバト環境・観光相,訪独(~11日)。国際観光見本市ITB-ベルリンに出席。
7日 エンフボルド国防相,訪印(~10日)。
9日 エンフボルド国会議長,トルコ訪問。エルドアン大統領らと会談。
12日 エンフボルド国防相,カタールでのドーハ国際海事防衛展示会会議に出席(~14日)。
13日 ツォグトバータル外相,アゼルバイジャン・バクーでの欧州安全保障協力機構(OSCE)議員会議国際会議に出席。
15日 「モンゴリア・ゴールド2018」,ウランバートルで開催(~16日)。
17日 バトトルガ大統領,中部地方・西部地方視察(~22日)。
19日 フレルスフ首相,西部地方視察(~24日)。
28日 モンゴル経済フォーラム,ウランバートルで開催。
28日 アリモフ上海協力機構(SCO)事務局長,来訪(~29日)。バトトルガ大統領らと会談。
29日 モンゴル・カザフスタン政府間協議,アスタナで開催(~30日)。
   4月
1日 反腐敗庁,バヤルツォグト元蔵相らを逮捕。
4日 カシス・スイス外相,来訪(~6日)。バトトルガ大統領らと会談。
4日 エンフボルド国防相,第7回モスクワ国際安全保障会議に出席(~5日)。会期中にショイグ・ロシア防衛相と会談。
5日 春期国会開会。
6日 ユルドゥルム・トルコ首相,来訪(~8日)。バトトルガ大統領らと会談。
8日 フレルスフ首相,訪中(~12日)。李克強首相らと会談。
9日 第7回モンゴル・チェコ政府間協議,プラハで開催(~10日)。
10日 反腐敗庁,バヤル元首相とサイハンビレグ元首相を逮捕。
13日 アマルバヤスガラン人民党書記局長,北朝鮮訪問。金永南最高人民会議常任委員長らと会談。
23日 ツォグトバータル外相,ブリュッセルでのモンゴル・EU合同委員会に出席。会期中にユンケル欧州委員会委員長と会談。
24日 スワラージ・インド外相,来訪(~26日)。バトトルガ大統領らと会談。
25日 ドンスコイ・ロシア天然資源・環境相,来訪。エンフトゥブシン副首相と会談。
26日 モンゴル・日本・アメリカ3カ国会議,東京で開催。
29日 オファーゲル・アイルランド下院議長,来訪(~5月1日)。バトトルガ大統領らと会談。
29日 ジグジド元鉱業相,日本政府の春の叙勲で旭日重光章受賞。
   5月
6日 バトトルガ大統領,西部地方視察(~7日)。
7日 フレルスフ首相,ハンガイ地方・西部地方視察(~9日)。
16日 ツォグトバータル外相,ロシア訪問(~17日)。ラヴロフ外相らと会談。
18日 ツォグトバータル外相,訪米(~22日)。ポンペオ国務長官らと会談。
21日 モンゴル経済フォーラム2018開催。
24日 エンフボルド国防相,訪中(~29日)。26日,常万全国防部長らと会談。
28日 モンゴル・中国・ロシア3カ国外務副大臣級定例会談,北京で開催。
31日 国会本会議,子ども手当の対象拡張にかかる方策に関する国会決議採択。
   6月
3日 ツォグトバータル外相,ベラルーシ訪問(~6日)。コビャコフ首相らと会談。
4日 モンゴル,アメリカ大使館・太平洋軍共催「ゴビの狼-2018」対地震災害演習,ホブド県で開催。
7日 モンゴル・ロシア・イニシアチブ,ウランバートルで開催(~8日)。
8日 古澤IMF副専務理事,来訪。フレルスフ首相らと会談。
9日 バトトルガ大統領,中国青島でのSCO首脳会合に出席(~10日)。会期中にモンゴル・ロシア・中国3カ国首脳会談開催。
11日 ギャワリ・ネパール外相,来訪。バトトルガ大統領らと会談。
11日 ドルジ・ブータン外相,来訪。ツォグトバータル外相と会談。
14日 国会本会議,性的強要疑惑によるガントルガ国会議員の辞職を承認。
14日 北東アジア安全保障「ウランバートル対話イニシアチブ」第5回国際会議,ウランバートルで開催(~15日)。
14日 国際合同軍事演習「ハーン・クエスト2018」実施(~25日)。
18日 第3回北東アジア市長フォーラム,ウランバートルで開催。
18日 シン・インド内相,来訪(~24日)。バトトルガ大統領らと会談。
24日 モンゴル・日本経済フォーラム,東京で開催(~30日)。
29日 春期国会閉会。
   7月
2日 スルタン・ビン・サアド・アル・ムライヒー・カタール外務担当国務大臣,来訪。バトトルガ大統領らと会談。
3日 アジア防災閣僚級会合(AMCDRR)2018,ウランバートルで開催。
3日 李紀恒中国内モンゴル自治区党委員会書記,来訪(~7日)。バトトルガ大統領らと会談。
4日 モンゴル・イラン外務省間協議,ウランバートルで開催(~6日)。
7日 人民革命党(エンフバヤル派),臨時党大会開催。
7日 モンゴル・ベトナム外務省間協議,ウランバートルで開催。
9日 第3回モンゴル・ロシア・中国観光相会談,ウランバートルで開催。
16日 エンフトゥブシン副首相,ニューヨークでの持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラムに出席(~18日)。会期中にグテーレス国連事務総長らと会談。
21日 モンゴル・日本ビジネスフォーラム,東京で開催。
21日 ツォグトバータル外相,ワシントンでの第1回宗教の自由に関する閣僚級国際会合に出席(~26日)。
27日 モンゴル・トルコ共同ウランバートル・エンパシー学校アクチャイ校長拉致事件発生。
27日 塩崎日本・モンゴル友好議員団長ら,来訪(~8月1日)。バトトルガ大統領らと会談。
   8月
4日 ダワースレン対外関係政務官,シンガポールでの第25回ASEAN地域フォーラム(ARF)に出席。
12日 ドルノゴビ県で旅客列車が脱線。11人負傷。
15日 ソミヤーバザル鉱業・重工業相,中国内モンゴル自治区訪問(~18日)。李紀恒内モンゴル自治区党委員会書記らと会談。
17日 バトトルガ大統領,バッチジャルガル駐日モンゴル国大使を任命。
17日 モンゴル・中国・ロシア経済貿易協力フォーラム,中国・エレーンホトで開催(~23日)。
23日 王毅中国外交部長,来訪(~25日)。バトトルガ大統領らと会談。
   9月
4日 「コール・モンゴリア2018」,ウランバートルで開催(~5日)。
6日 モンゴル教育・科学労働組合連合,ストライキ決行(~14日)。
6日 「ディスカバー・モンゴリア」,ウランバートルで開催(~7日)。
6日 世界女性通商サミット,ウランバートルで開催(~8日)。
6日 第1回モンゴル・タイ政府間協議,ウランバートルで開催。
8日 エルデネ国会議員率いる代表団,北朝鮮訪問(~11日)。金永南最高人民会議常任委員長らと会談。
10日 第2回モンゴル・日本友好協力団体会合,ウランバートルで開催。
10日 モンゴル・インド合同軍事演習「ノマディック・エレファント」,タワントルゴイ演習場で開催。
11日 バトトルガ大統領,ウラジオストクでの第4回東方経済フォーラムに出席。会期中にプーチン・ロシア大統領と会談。
11日 国際軍事演習「ヴォストーク2018」,ロシア・東シベリアで開催(~17日)。
15日 エンフトゥブシン副首相,北京での第15回モンゴル・中国政府間通商・経済・科学技術協力委員会会合に出席(~17日)。
17日 「MONNICHI TODAY 2019」ビジネスフォーラム,ウランバートルで開催。
17日 ヨーホー米下院外交委員会アジア・太平洋副委員長ら,来訪。バトトルガ大統領らと会談。
18日 フレルスフ首相,訪米(~10月3日)。国連総会に出席,トランプ大統領らと会談。
19日 エンフボルド国防相,訪独。ライエン国防相と会談。
20日 第12回モンゴル・欧州議会間会合,ウランバートルで開催。
24日 バトトルガ大統領,アゼルバイジャン訪問(~25日)。アリエフ大統領らと会談。
29日 モンゴル・ロシア合同軍事演習「セレンゲ2018」,ロシア・ブリヤート自治共和国で開催。
   10月
1日 秋期国会開会。
2日 郡司彰参議院副議長,来訪。バトトルガ大統領らと会談。
4日 国会本会議,バト=エルデネ道路・運輸開発相解任案可決。
5日 国会本会議,ソドバータル国会議員を道路・運輸開発相に任命。
7日 地方議会再選挙・補欠選挙実施。人民党が8郡1地区のうち6郡・1地区で勝利。
7日 モンゴル・チェコビジネスフォーラム開催(~13日)。
8日 ツォグトバータル外相,訪仏(~9日)。ル・ドリアン外相と会談。
10日 ツォグトバータル外相,訪英(~12日)。スチュアート国際貿易省投資担当国務大臣らと会談。
11日 エンフトゥブシン副首相,ドゥシャンベでの第17回SCO政府代表級会合に出席(~12日)。会期中にラスルゾーダ・タジキスタン首相らと会談。
18日 バトトルガ大統領,ブリュッセルでの第12回アジア欧州会合(ASEM)首脳会合に出席(~19日)。会期中にメルケル独首相らと会談。
18日 ショイグ・ロシア防衛相,来訪。フレルスフ首相らと会談。
20日 ライエン独国防相,来訪。エンフトゥブシン副首相らと会談。
22日 バトトルガ大統領,ジュネーブでの国連貿易開発会議(UNCTAD)世界投資フォーラムに出席(~26日)。会期中にキトゥイUNCTAD事務局長らと会談。
29日 ソミヤーバザル鉱業・重工業相,メルボルンでの国際鉱業・鉱物資源会議2018(IMARC-2018)に出席(~11月1日)。
29日 第1回モンゴル・ネパール外務省間協議,カトマンズで開催。
   11月
2日 国会,2019年予算案可決。
2日 第3回モンゴル・インド外務省間協議,ニューデリーで開催。
6日 国会本会議,バトゾリグ食糧・農牧業・軽工業相解任案可決。
13日 人民党国会議員団,ハヤンヒャルワー人民党国会議員団長を解任。
18日 ツォグゾルマー教育・文化・科学技術・スポーツ相,ロシア訪問(~20日)。ヴァシリエヴァ教育相らと会談。
19日 ハヤンヒャルワー前人民党国会議員団長,内閣不信任案を国会上程。
21日 エスワティニ (旧スワジランド)王国と国交樹立。
27日 モンゴル銀行,政策金利を1%引き上げて11%に設定。
27日 モンゴル・イタリア外務・国際協力省間協議,ローマで開催。
30日 国会本会議,内閣不信任案否決。
   12月
1日 第11回モンゴル・ラオス政府間定例協議開催(~5日)。
3日 民主党,内閣不信任案に反対したバトザンダン国会議員,ボルド国会議員,モラト国会議員を処分。
5日 民主党第9回党大会開催。
6日 バトザンダン国会議員ら,エンフボルド国会議長解任を求めて座り込み。
8日 李容浩北朝鮮外相,来訪(~9日)。ツォグトバータル外相らと会談。
8日 第9次NATOアフガニスタン「確固たる支援任務」派遣部隊出発。
10日 フレルスフ首相,バトボルド首都知事兼ウランバートル市長の辞職を承認。
12日 フレルスフ首相,訪日(~15日)。安倍首相らと会談。
15日 ツォグトバータル外相,カタールでの第18回ドーハフォーラムに出席(~16日)。
19日 人民党幹部会開催(~20日)。
19日 ツォグトバータル外相,クウェート訪問。
27日 エンフボルド国会議長辞職要求デモ,スフバータル広場で決行。

参考資料 モンゴル 2018年
①  国家機構図(2018年12月末現在)

(注)1)国家元首。政党の推薦を受け国民の直接選挙で選出,任期4年。大統領資格は45歳以上,選挙前5年以上継続して国内に居住したモンゴル国籍の者。2)国家最高機関。定員76人。任期4年。議員資格25歳以上。首相以下の閣僚を選出。定例年2回,1回75日以上。3)最高裁長官,検事総長は国家大会議議決を経て大統領が任命。4)任期4年。5)アイマグ(県),首都の知事は地方議会の提案で首相が任命。ソム(郡),地区などの首長は上部アイマグ,首都知事が任命,任期4年。6)憲法裁判所判事は,大統領と最高裁判所が推薦し,国会が任命。

②  政府・国会要人名簿(2018年12月末現在)

主要統計 モンゴル 2018年
1  基礎統計

(注)1)暫定値。2)各年12月時点の対前年同月比。3)モンゴル銀行12月31日公表値。

(出所) Monthly Statistical Bulletin,2015年12月号,2016年12月号, Socio-economic Situation of Mongolia,2018年12月号,モンゴル銀行ウェブサイト( http://www.mongolbank.mn/)。

2  支出別国内総生産(名目価格)

(注)1)9月までの暫定値。

(出所)Mongolian Statistical Information Database( http://www.1212.mn)。

3  産業別国内総生産(実質:2010年価格)

(注)1)暫定値。

(出所)表2に同じ。

4  家畜頭数

(注)1)暫定値。

(出所) Monthly Statistical Bulletin,2016年12月号, Socio-economic Situation of Mongolia,2018年12月号。

5  国際収支

(注)1)暫定値。資本移転収支と金融収支の符号は,支払の場合がプラス,受取の場合はマイナスになる。

(出所)モンゴル銀行ウェブサイト( http://www.mongolbank.mn/)。

6  主要国別貿易構成比(2018年) 1)

(注)1)暫定値。

(出所) Socio-economic Situation of Mongolia,2018年12月号。

7  主要輸出品

(注)1)暫定値。

(出所) Monthly Statistical Bulletin,2015年12月号,2016年12月号, Socio-economic Situation of Mongolia,2018年12月号。

8  主要輸入品

(注)1)暫定値。

(出所)表7に同じ。

 
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