従来日本においてある種のオニグモが, ヨーロッパ種の A. bituberculatus や A. omoedus に同定せられたことがあるが, それらを検討の結果, 現在のところ確実に上記2種に同定し得る種は見出されない。何れもヨーロッパ種の地理的変異とするにはあまりにも大きな差異を有しており, とりあえず2種のみを新種として記載した。これら2種よりもむしろキザハシオニグモ Araneus abscissus (KARSCH) の方が上記欧州種に近似を示す。今回記載の Araneus tsuno や Araneus rotundicornis は Araneus nordmanni に近縁なものと思われる。