1978 年 28 巻 1 号 p. 19-29
日本からケタフリソデダニ科 Parakalummidae に属するフクロフリソデダニ属 Neoribates の, 要員は従来, N. macrosacculatus AOKI と N. aurantiacus (OUDEMANS) の2種が知られていたが, これらとは明らかに異なり (他の今までに記録されている9種とも異なる) 新種とすべき個体が得られたので命名, 記載した。
他種との主要な識別点は, (1) 背板, 翼状突起の体表は多数の短いスリット状の構造がある, (2) 前体部背面の体表に小顆粒状構造がある, (3) 腹板, 肛扉上にも小孔構造 criblate がある, (4) 肛側毛 ad1, ad2 は非常に長く, ad3 は短いが存在する。
また, N. gracilis の命名規約上の問題を検討し, その発表年を1972から1970年に移動した。