Acta Arachnologica
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チリグモの室内での生活環と幼生 (若虫) 発育に及ぼす光周期の影響
宮下 和喜
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1992 年 41 巻 1 号 p. 5-10

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抄録

屋内でのチリグモの生活環を調べるため, 定期的にメス成体を捕えて飼育し, 産卵状況を調査したところ, このクモは4月から9月にかけていつでも産卵していることがわかった. したがって, この期間中はいつも幼生 (若虫) が出現してくるので, 生活環ははなはだしい世代の重なり合いを持ったものになっている. また, 6月に得た幼生を自然日長および長日と短日条件下で飼育したところ, 自然および長日条件下での発育はほとんど同じであったが, 短日条件下では後期の脱皮が翌春に持ち越される傾向が認められた. しかし, いずれの場合でも秋または翌年の春までには成体にまで発育した.

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