Acta Arachnologica
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蜘蛛糸に及ぼす紫外線および温度の影響
大崎 茂芳
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1997 年 46 巻 1 号 p. 1-4

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抄録

成熟したコガネグモの牽引糸に及ぼす紫外線および温度の影響をESR測定法で調べた. 室温で紫外線を照射して生じるタンパク質分解ラジカルは, 照射時間とともに増大することが確認された. また, ラジカル強度は, 100°Cまでは温度とともに減少するが, それ以上の温度では増大し, 170°C付近で極大を示した. このラジカル強度の極大は, 温度上昇によってタンパク質の分解が促進される影響と, 高温で分子運動が活発化するためにラジカルが消失する影響とが重なりあった結果として, 観測されると考えられる.

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