2021 年 1 巻 1 号 論文ID: SC-2021-12
オープンソース補聴器プロジェクトopenMHA は,これまであまり公開されることのなかった補聴処理を誰でも開発・検証に参加できるものにした。本報告ではopenMHA を動作させ,各種アルゴリズムの中から雑音抑圧処理に着目し,白色雑音を重畳した日本語VCV(母音–子音–母音)に対して処理を行なった。その結果,VCV 音声のSNR が改善した。しかし,聴覚障害者1 名による評価では聞き取りやすさと音質に差は見られなかった。今後は大学教育課程の中で補聴処理を学ぶために,カリキュラムの一部として本システムを用いた実習を組み込むことを目的とする。