抄録
当院のNICU入院児において過去2年間にABRとASSR検査を施行した60例について検討した。ABRのV波閾値とASSRの閾値はいずれの周波数も良く相関し, 2000Hzで最もよく相関していた。42例はABRでV波閾値が35dBnHL以内で正常聴力と診断した。初回検査で18例に難聴が疑われたが, 最終的には11例18.3%が難聴で, NICU入院児の2.4%に相当した。両側中等度以上の難聴は6例であった。再検査で正常と診断した7例中6例において初回検査が修正月齢1カ月以内に行われており, 水頭症や高ビリルビン血症合併例もあった。NICU入院児の難聴発生率は一般の新生児に比べ高いが, 初回検査は少なくとも修正月齢1カ月以上が妥当であり, 診断には全身的な病態の把握を含め慎重であるべきと考えられた。遅発性難聴や進行性難聴にも留意した聴覚言語発達への注意の喚起も大切であると考えられた。