抄録
新生児聴覚スクリーニング後の精密検査のために当科を受診した児について, 聴覚発達チェックリスト (田中・進藤式) の経過を検討した。両側正常群の経過から到達月齢の成長曲線を作成した結果, 到達月齢の平均-2SDは実際の月齢-1ヶ月となり, 従来の判定基準と同様であった。一側難聴群の到達月齢は, 成長曲線の平均±1SDに入っていた。軽度難聴群では, ばらつきが多くなったが平均±2SDに入っていた。高重度難聴の到達月齢は, いずれも成長曲線から外れていた。中等度難聴については, 聴力60dBの1例は, 生後3ヶ月までは正常群と同様の経過であったが, その後成長曲線から外れた。一方, 聴力50dBの1例は, 精神運動発達遅滞を重複しているにも関わらず, 生後9ヶ月まで平均-2SDの範囲に入っており, 聴覚発達チェックリストで抽出できる聴力レベルの限界が示唆された。