AUDIOLOGY JAPAN
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原著
突発性難聴の社会的問題
岡本 牧人佐野 肇上條 貴裕小野 雄一
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2010 年 53 巻 6 号 p. 682-686

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抄録
目的: 突発性難聴罹患者の治療成績と聴力固定期の難聴状況を検討した。
方法: 1995年-2004年に北里大学で治療した突発性難聴の予後を検討し, 過去の全国疫学調査結果と比較検討した。健側聴力を含めて固定期の聴力を検討した。
結果: 全646例で治癒例は44.1%, 発症2週間以内治療開始例で47.7%, 発症1週間以内治療開始例で49.8%であった。また, 固定時, 2.2%が両側40dB超の難聴であった。
考察: 1973年以降, 治癒率は徐々に増加したが, 50%以上の患者に難聴が残存した。全国疫学調査 (2001) における推定患者数は35,000人であり, 約20,000人が難聴を残すと推定された。突発性難聴の平均罹患年齢は50歳台であり, 患者の平均余命は30年以上あることを考えると突発性難聴による難聴は数十万人に及ぶ可能性もあり, 難聴の成因としても重要と思われた。治らなかった患者に対して聴覚管理を含めた診療が必要である。
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© 2010 日本聴覚医学会
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