AUDIOLOGY JAPAN
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原著
入院加療を行ったGrade3以上の突発性難聴の検討
河口 幸江萩原 晃西山 信宏小林 賀子鈴木 衞
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2011 年 54 巻 1 号 p. 95-101

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抄録

2002年4月から2009年3月の7年間に当科に入院した突発性難聴で, 初診時Grade3以上の症例168例168耳を検討した。年齢は8歳から86歳 (平均52.7歳) で, 重症度はGrade3が95例, Grade4が73例であった。
治療法は次の3群に分けた。プレドニゾロン60mg (PSL60群), プレドニゾロン120mg (PSL120mg群), 又はベタメタゾン8~12mg (BT群) のいずれかの漸減投与 (約1週間) を行った。いずれの群もプロスタグランジンE1製剤を併用した。
全体の成績は治癒19.4%, 著明回復47.9%で, 重症度別の成績ではGrade3はGrade4に比べてよかった (p<0.05)。ステロイド薬別治療成績ではPSL120群の治癒率は26.1%で, PSL60群の8.7%に比べて高かったが, 多重ロジスティック回帰分析ではステロイド投与量の違いでは有意差はなかった。

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© 2011 日本聴覚医学会
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