AUDIOLOGY JAPAN
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原著
補聴器購入に至らなかった要因の検討
瀬戸 さやか稲枝 道子金井 英倫櫛橋 幸民寺崎 雅子三輪 レイコ
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2015 年 58 巻 4 号 p. 227-232

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抄録

要旨: 補聴器購入に至らなかった症例について, その要因を明らかにし, 補聴器装用を必要とする難聴者および周囲の者の生活の質の向上のために今後工夫すべき点を検討した。
 補聴器購入に至らなかった要因を補聴器本体に関する内容 (ハード面) とその他の環境に関する内容 (ソフト面) に分類したところ, 計11項目になった。要因として最多だったのは難聴に関する自覚の乏しさであり, 難聴者の中には補聴のための努力をする必要性を感じていない者がいることが明らかになった。補聴器購入によってコミュニケーションの質を向上させるためには, 本人および周囲の者が難聴を受容・認識していくことだけではなく, 専門的な立場から積極的に難聴対策を勧めるスタッフの技術もまた必要であると考えられた。

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© 2015 日本聴覚医学会
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