AUDIOLOGY JAPAN
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「小児および成人人工内耳のマッピングとリハビリテーションの体系化」
一人暮らし高齢者の難聴自覚と補聴器使用状況
中島 務内田 育恵杉浦 彩子寺西 正明片山 直美曾根 三千彦
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2019 年 62 巻 2 号 p. 134-141

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抄録

要旨: 愛知県一宮市大徳連区 (人口1万1千人) の一人暮らし高齢者を対象に民生委員が, 自覚的聞こえ, 補聴器使用状況, 最近のニュースなどについて2017年にアンケート調査を行った。 対象者は, 市に民生委員訪問を希望すると伝えていた65歳以上161人であり, 全員からのアンケート調査結果を得た。 最高齢99歳, 最低齢66歳, 平均80.7歳で, 女性が全体の85%であった。 自覚的聞こえは, 70歳代に比べて80歳代が, 80歳代に比べて90歳代が有意に悪化していた。 補聴器使用は, いつも使用が7人, 時々使用が7人の計14人であったが, そのうち聞こえのことで耳鼻科を受診していたのは7人のみであった。 「最近のニュースは何ですか? 」の質問に不正解の場合, 社会的孤立や認知症の傾向を疑わなければならない。 この質問項目での不正解は高齢化と関係が強く90歳代は80歳代に比べて不正解の割合が有意に高かった。 また, 年齢とは独立して難聴の自覚が, この不正解に有意に影響していた。

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© 2019 日本聴覚医学会
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