2020 年 63 巻 6 号 p. 525-530
要旨: 新生児聴覚スクリーニング検査 (Newborn Hearing Screening: 以下「NHS」) により早期発見が可能となり片耳難聴に対しても早期支援が必要と考えられ, 現在の状況を把握するため新潟県内の難聴特別支援学級や難聴通級指導教室を設置する小・中学校及び聴覚特別支援学校 (聾学校) 18校で指導を担当する教員を対象にアンケート調査を行った。16校から回答があり支援を受けていた片耳難聴児童生徒数は21人で, そのうち保護者の了解を得て調査対象となったのは8人であった。この8人の支援開始の理由として多かったのが, 「学習面」「行動面」「聞き取る力」「発音」の問題であった。また教育支援が開始された時期が NHS 受検の有無, 難聴発見年齢に関わらず, 小学校高学年以降の例が3例あり, 問題が顕在化するまで支援を受けない傾向が示唆された。