AUDIOLOGY JAPAN
Online ISSN : 1883-7301
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原著
愛知県における新生児聴覚スクリーニングの実施状況
―母子健康手帳を活用した情報共有についての考察―
浅見 勝巳工藤 祥子笠原 伸洋木下 稚子柴田 知紗江﨑 友子服部 琢
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2020 年 63 巻 6 号 p. 518-524

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抄録

要旨: 2016~2018年度に当院で聴力検査を行った1549例の NHS 受検の有無と結果を, 診療情報提供書, 母子手帳の記録から調査した。母子手帳の体裁は2012年と2017年に変更されており, その体裁 (2012年以前: Type A, 2012年~: Type B, 2017年~: Type C) も確認した。1402例が NHS 受検, 147例が非受検で受検率は91%。受検結果は, 両側 refer 34%, 片側 refer 21%であった。母子手帳は, 718例で確認でき, 検査日は92%, 検査法は55%, 検査結果は64%で記載や貼付がなされていた。Type B で97%, Type C では90%で, NHS の何らかの情報が母子手帳に記載されており, 記入欄の利用率は高いが Type C では検査日, 検査法, 結果の全情報網羅率は62%で, 38%に記入漏れがあった。母子手帳への結果記載の徹底のための啓発活動と記入漏れをチェックし修正できる体制の整備が必要である。

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© 2020 日本聴覚医学会
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