AUDIOLOGY JAPAN
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C5-dip症例の高周波聴力
酒井 国男荻野 敏三好 敏之杉山 茂夫
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1976 年 19 巻 2 号 p. 106-109

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抄録

某製紙工場従業員のうち, 80ホン (A) 以上の職場で働く404名全員を対象として, 標準純音聴力検査および高周波聴力検査を行った。C5-dipを示した者は87名あり, 騒音下就業者の2割に見られた。片側性のC5-dip症例が24名で, 両側性のC5-dip症例が63名であった。C5-dipと年令の関係は明確でなく, 就業年数とは経年的な増加傾向炉見られた。C5-dipは就業後かなり早期に形成されると思われる。騒音の程度とC5-dipの関係は僅かであるが比例傾向があった。C5-dip症例にも高周波域値から正常人と同じ加令現象が認められた。10kHz以上の高周波域値では, 同年代の正常人とC5-症例との間に差が見られなかった。

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