AUDIOLOGY JAPAN
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中枢性疾患に対するABRの刺激間隔時間の意義
酒井 仁青柳 優横田 雅司横山 寿一原田 次郎布施 健生小池 吉郎
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1989 年 32 巻 1 号 p. 55-61

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抄録
神経学的診断の際にABRのrate effectを臨床応用できるか否かについて検討した。 対象は正常群, 内耳性疾患群及び中枢性疾患群の3群である。 今回は刺激間隔時間として25msecと75msecを用い, 25msecの時の潜時から75msecの時の潜時を減じ, 潜時差を求めた。 その潜時差を3群間で比較検討した。
1) 正常群と内耳性疾患群の間では有意の差は認められなかった。
2) 中枢性疾患群は正常群及び内耳性疾患群に比較してIII波, V波の潜時差及びI-V波間潜時差は有意に延長していた。 しかし正常群の潜時差の平均値の±2SDを正常範囲とすると, 中枢性疾患群の大部分はその中に含まれた。
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© 日本聴覚医学会
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