抄録
正常小児例15耳及び伝音難聴小児例33耳について40Hz事象関連電位 (40Hz-ERP) による聴力測定を行い, その域値判定にFridmann (1984) の方法にしたがってSynchrony measure法 (SM法) による解析を応用してみた結果次のような所見を得た。
(1) 小児においては40Hzのcomponent synchrony measure (CSM 40Hz) 及びCSM 80Hz, CSM 120Hzが自覚域値付近で大きな変化を示した。
(2) CSM 40Hz, CSM 80Hz, CSM 120Hz各々単独では域値判定は困難だが, それらを平均したSM (40+80+120Hz) により域値判定が可能と考えられた。
(3) 無刺激時のSM値の平均+2SDを判定基準として, SM (40+80+120Hz) により自覚域値上5-10dBにて判定が可能であった。
従って小児においてもSM法は40Hz-ERPの自動判定に有用であると考えられた。