抄録
雑音性耳鳴におけるバンドノイズマスキングレベル (BNML) と純音マスキングレベル (PTML) の比較検討を行い以下の結果を得た。 (1) 両者の相関係数は感覚レベル表示では0.81, オージオメータレベル表示では0.94であった。 (2) ラウドネスとの相関係数は感覚レベル表示ではBNML: 0.75, PTML: 0.61, オージオメータレベル表示ではBNML: 0.94, PTML: 0.88であった。 (3) ラウドネス (x) との回帰直線は, 感覚レベル表示ではBNML: y=1.23x+6.43, PTML: y=1.17x+8.44, オージオメータレベル表示ではBNML: y=0.93x+10.53, PTML: y=0.89x+19.25であった。 (4) オージオメータレベル表示のBNMLが雑音性耳鳴の大きさを表わす最も適当なマスキングレベル表示法であると考えられた。