AUDIOLOGY JAPAN
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乳幼児聴力検査の適応年齢と信頼性 3歳以下の初診児を対象に
浅野 進幸田 政次中山 博之
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1990 年 33 巻 4 号 p. 287-294

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抄録

peep show test (Receiver法) による検査可能年齢と, その信頼性について検討した。 対象は昭和46年から59年に3歳未満で受診し, その後3年以上定期的に聴力検査を行った328症例 (328耳・平均聴力レベル96.6dB) で, 結果は以下の通りである。
1) 86%の症例が2歳台までにReceiver法による域値決定が可能であり, 残りの14%の症例は, 検査間隔が開きすぎた症例, receiver装用を強固に拒否する症例などであった。
2) 決定域値と3年以上経過後の最新域値との差は, 0.5・1・2・4kHzの各周波数において80%前後 (72.4%-87.7%) の症例が±10dB内にあった。
以上のことから, peep show test (Receiver法) は, 難聴以外に問題がなければ, 殆どの症例が2歳台までに域値決定可能であり, その信頼性も高い。

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