AUDIOLOGY JAPAN
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伝音性難聴および混合性難聴にたいする補聴器適合の研究
長井 今日子
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1993 年 36 巻 6 号 p. 737-745

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抄録

伝音性難聴および混合性難聴に適合する補聴器の調整条件を, 244例の臨床例から求めた。 さらに, 伝音性難聴および混合性難聴の不快レベルと快適レベルの測定を18例を対象として行った。 その結果は以下のとおりである。 1) 伝音性難聴および混合性難聴に適合した補聴器の最大出力音圧レベルは, 感音性難聴と比べ約4-8dB高かった。 2) 伝音性難聴および混合性難聴の不快レベルは, 感覚レベルで比較すると, 感音性難聴とほぼ同等の値であった。 3) 伝音性難聴および混合性難聴の快適レベルも, 感音性難聴とほぼ同等の値であった。 4) 伝音性難聴および混合性難聴に適合した補聴器の周波数レスポンスは, 約6dB/octの低周波数減衰の特性であった。 以上の結果から, 伝音性難聴および混合性難聴にたいする補聴器の器種の選択では, 高出力, 高利得の補聴器は必要なく, 十分に低周波数帯を増幅できる補聴器が良いと結論した。

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