AUDIOLOGY JAPAN
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メチルプレドニゾロンの強大音受傷性に与える影響
高橋 和彦木村 伸一和田 哲郎阿瀬 雄治原 晃草刈 潤
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1994 年 37 巻 4 号 p. 288-294

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抄録

音響性聴器障害の治療薬の一つとしてステロイドが以前より用いられているが, その有効性・作用機序については未だ不明の所が多い。 今回我々は白色モルモットを用いて強大音負荷前にメチルプレドニゾロン (mPSL) を経静脈内投与し, 蝸牛神経複合活動電位閾値の変化に与える影響について検討した。 強大音として2kHz純音, 110dB又は120dBSPLを10分間負荷した。 実験群として120dBではmPSL12mg/kg投与群及び対照群, 110dBではmPSL12mg/kg又は40mg/kg投与群及び対照群とした。 閾値測定は強大音負荷後3時間まで30分毎に行った。 結果として全ての実験群の全測定時間において, 閾値上昇に有意差を認めなかったが, 110dB, mPSL 12mg/kg, 2kHzにおいて閾値の改善に有意差を認めた。 このことより, mPSLは音響外傷に対して防御効果はないが, 改善効果を有すると推察された。

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