AUDIOLOGY JAPAN
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愛知県三歳児聴覚検診システムと検出された難聴児の検討
荒尾 はるみ浅野 進柳田 則之
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1994 年 37 巻 4 号 p. 300-309

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抄録

愛知県では三歳児聴覚検診の第一目的を言語に影響の出る軽中等度の両側難聴児の検出に置き, 東京都に続き質問表と自己検査からなる健診を平成4年9月から開始した。 開始後約1年間に47,223人が健診を受け, 10人の両側難聴児が検出された。 1/4722の頻度となり, 高度難聴児がすでに措置されているとすれば, 評価できる値と考える。
軽度難聴の1人を除き9人は言語発達に問題を有していたが, 内6人は難聴など考えてもいず, 残り3人も聴覚について以前から心配していてもきっかけをつかめず未受診でいた。 この健診が存在していなかったら, 就学児健診まで放置されていたであろうと推測され, この健診の重要性が確認された。
また, 聴覚検診システム上, 質問表だけでは見逃す症例が認められ, 自己検査を併せて実施する必要性が実証された。

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