AUDIOLOGY JAPAN
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FM-BTE (耳掛け形) 補聴器の臨床効果
神田 幸彦
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1996 年 39 巻 1 号 p. 55-59

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抄録
従来よりFM補聴器は距離的な問題を解決する補聴器として, 主に学校教育において使用されてきた。 しかし箱形ゆえに衣ずれの音が入る, 使用者が動きにくいなどの難点もあった。 このたび開発されたFM耳掛け型 (BTE) 補聴器は使用者が動きやすく, またいろいろな世代で有効であった。 語音明瞭度検査では各世代で改善が認められ, 症例1では音源より5mの距離では3音節単語が従来の補聴器が61%, FMマイクを使用した場合は86%, 音源より10m離れた距離では3音節単語が従来の補聴器が25%, FMマイクを使用した場合が85%と離れても明瞭度が良好であることが確認された。 他の症例でもその有効性が証明された。 外部入力端子の使用でテレビの音声も, はっきりと聞き取れるようになった。 FM-BTE補聴器の臨床効果を著すとともに考察を加えた。
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© 日本聴覚医学会
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