AUDIOLOGY JAPAN
Online ISSN : 1883-7301
Print ISSN : 0303-8106
ISSN-L : 0303-8106
スポーツクレー射撃による衝撃音と選手の聴力
矢部 多加夫澤木 誠司中本 吉紀伊藤 茂彦小寺 一興中村 雅信
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 40 巻 4 号 p. 223-230

詳細
抄録

スポーツクレー射撃時の衝撃音が射手に与える影響について検討するために, 衝撃音測定用のダミー人形装置 (KEMAR) を用いて衝撃音を測定し, 63名のクレー射手を対象に純音聴力検査と質問紙調査を実施した。 1) 衝撃音のピーク音圧は約155dBで, 2msec前後にピークをもち, 約50msecで減衰した。 2) 銃口側耳と反対側耳間にピーク音圧差が認められ, 耳介の集音作用が考えられた。 3) 音響外傷予防用具の遮音効果についてはイヤープラグとイヤーマフの併用, イヤープラグ, イヤーバルブ, イヤーマフの順であった。 4) 高音域で明らかな高音急墜ないしC5 dipを示した異常群は非異常群に比べ平均年齢が高く, 平均経験年数が長く, 予防用具使用率が低率を示した。 音響外傷予防用具は遮音に効果的で, 予防用具の必要性と適切な使用法についての今後の一層の普及, 使用率の向上が望まれる。

著者関連情報
© 日本聴覚医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top