1998 年 41 巻 3 号 p. 188-192
頭頂部緩反応SVRのN2成分の等価双極子を双極子追跡法を用いて求めた。健康な聴力正常成人20名を対象とし, 片耳刺激のSVRを頭皮上21chより記録した。刺激側の左右差に関係なくN2成分の等価双極子は前頭部に認められる傾向があった。双極子の方向は変化に富み一定の傾向を示さなかった。N2成分の双極子の位置, 方向よりその起源は主に前頭部由来であると推定した。双極子が変化に富み, 安定性が悪かった理由として, 1) 実際の脳の活動部位が, 双極子追跡法で推定できる双極子の数よりも多い。2) 被験者の意識レベルや覚醒レベルが影響した。