AUDIOLOGY JAPAN
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京都市児童福祉センターにおける感音難聴児の診断経緯
1歳6か月児健診にむけての一考察
土井 玲子立本 圭吾西山 彰子鈴木 敏弘中尾 美穂志多 真理子小宮 精一村上 泰
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1998 年 41 巻 3 号 p. 228-234

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抄録

両側高度感音難聴児は, 遅くとも1歳6か月までに診断し, 療育を速やかに開始することが目標である。現状では診断までの経過にどの様な問題点があるか, 京都市児童福祉センター耳鼻咽喉科で過去10年間 (1986年-1995年) に感音難聴と診断した251例について, 初診年齢及び診断までの経過を検討した。平均初診年齢は, 高度難聴で1歳6か月, 中等度難聴で4歳5か月であった。高度難聴のうち約40%は1歳6か月以降の初診であり, 中等度難聴の約50%が3歳6か月以降の初診であった。難聴のリスク因子がありながら適切な指導がなされていなかった症例や, 言語発達遅滞のみが指摘され, 難聴に関する検査が遅れた症例など医療機関の問題点も認められた。これらの問題点をふまえ, 1歳6か月児健診に際しての工夫と注意点を考察した。

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