1998 年 41 巻 4 号 p. 255-260
deep canal型補聴器を難聴者に適用し, その効果を評価した。対象は8例 (男2名, 女6名) で裸耳平均聴力レベルは43-69dBであった。評価方法は装用後のアンケート調査, 語音明瞭度検査, 閾値検査とした。アンケート結果から, 補聴器の大きさ, 電話利用, 自声強調について良い評価を得た。外耳道の狭い症例では装用時の痛みを認めた。補聴効果は平均聴力が69dBの症例以外では満足な評価を得た。よって, 適応は平均聴力が60dB未満の軽度・中等度難聴で外耳道が狭すぎないものと考えられた。また, 耳型の原形採取は顕微鏡下で行うため医師が行わなければならなく, 装用後の外耳道の管理のために定期的な耳鼻咽喉科医の診察が必要であると考えられた。