AUDIOLOGY JAPAN
Online ISSN : 1883-7301
Print ISSN : 0303-8106
ISSN-L : 0303-8106
北九州市における聴覚障害児の現状
吉田 雅文
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 43 巻 2 号 p. 136-140

詳細
抄録

北九州市における聴覚障害児の現状を把握する目的で, 義務教育年代の聴覚障害児の就学状況と, 市立総合療育センターを受診した聴覚障害児の初診時の年齢と難聴の程度を調査した。 聾学校, 難聴学級および難聴の通級指導を受けている小学生児童数から, 北九州市には1学年当たり約8名の高度聴覚障害児が存在すると考えられ, これは総児童数の0.08-0.09%に相当した。 また, これらの児童の半数以上が普通学級に在籍していた。 一方, 1988-97年の10年間に療育センターを受診した80dB以上の高度聴覚障害児は79名で, 1年平均約8名であった。 このうち1歳未満で難聴を疑われて受診したものは20%に過ぎず, 1歳代で発見されたものが48%と最も多く, 残りの32%では2歳の誕生日を過ぎてから難聴の診断が確定していた。 乳幼児健診に携わる小児科医や保健婦と連係を取り, より早期発見に努めることが重要と思われた。

著者関連情報
© 日本聴覚医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top