AUDIOLOGY JAPAN
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小児感音難聴の進行性 特に一側聾の反対側聴力について
南 詔子
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2000 年 43 巻 2 号 p. 148-156

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抄録

一側が聾である場合, 反対側聴力が変動, 進行するか否かは, 極めて重要な問題である。 一側が聾である難聴児の対側耳聴力の進行性について検討した。 一側が聾で, 対側耳に30dB以上の感音難聴を認める28例中, 進行例10例 (35.7%), 変動例1例 (3.6%), 変動進行例2例 (7.1%) であった。 一方, 対側耳の聴力が正常である372例中進行例6例 (1.6%), 2例 (0.5%) が変動進行例であり, この8例は対側型遅発性内リンパ水腫 (DEH) であった。 対側耳の聴力の変化率は5周波数平均聴力レベルで, 対側耳難聴例の進行例10例では2.0dB, 対側型DEH例5例では2.7dBであった。 また, 対側耳正常例中の対側型DEH例8例では1.3dBであった。 進行および変動の原因に内リンパ水腫によるものであると考えられる症例が存在した。

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