AUDIOLOGY JAPAN
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モルモット下丘ニューロン応答における刺激音の持続時間の影響
田中 英和戸叶 尚史
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2000 年 43 巻 6 号 p. 647-653

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抄録

モルモット下丘より, 純音に対する単一神経細胞応答を記録した。 刺激音としては三種類の純音トーンバースト (持続時間100ms, 200ms, 300ms) を用い, 応答に対する刺激音の持続時間の影響について検討した。 93個のニューロン応答を記録し得たが, 約60%のニューロンが刺激音に対してtonicな応答を, 約30%がphasicな応答を示した。 phasicなニューロンの応答の大きさは刺激音の持続時間の影響を受けなかった。 しかし, tonicなニューロンの中には, 持続時間200msの刺激音に対して最も大きな応答を示すものが記録された。 この結果は下丘レベルにおいて, 刺激音の持続時間に対する選択性が存在することを示している。

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