AUDIOLOGY JAPAN
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補聴器装用時の周波数変換単語音声の了解度
新居 康彦疋田 和彦米本 清
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2001 年 44 巻 1 号 p. 66-72

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抄録

難聴者にとって, 子供の声や女性の甲高い声は聞き取り難いと言われている。 本研究では, 補聴器装用時に声の高さによって単語了解度がどのように変化するかについて検討した。 補聴器評価用の3音節単語, および女性の甲高い発声で収録した音韻バランス3音節単語を信号処理して声の高さの異なる数種類の評価音声を制作し, 加齢による感音性難聴者11人を対象に聞き取り評価を行った。 その結果, 甲高い声を低い声に変換すると被験者 (補聴器装用) 全員の了解度が改善され, 被験者に共通して声の高さに聞き取り易い範囲があると考えられた。 周波数変換処理は了解度の改善に有効であるが, 声質も同時に変化するため変換率を適切に制限する必要があること, また, 聴力検査に使用する音声についても声の高さに留意すべきことを示唆した。

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© 日本聴覚医学会
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