AUDIOLOGY JAPAN
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遅発性ストマイ難聴例に対するDPOAE測定
内田 真哉鈴木 敏弘久 育男
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2003 年 46 巻 1 号 p. 52-56

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抄録

我々はストレプトマイシン投与終了後に遅発性に難聴が出現した症例の聴力および耳音響放射を測定した。症例は33歳, 男性で肺結核に対する抗結核治療のため入院中であった。ストレプトマイシン投与終了後約2ヵ月目で両側性に耳鳴を来たし, その後に高音部内耳性難聴が出現した。本例では薬剤性難聴早期発見のため純音聴力検査を行っていたが, 投与後は耳音響放射を併せて測定した。薬剤投与後数ヵ月を経て歪み成分耳音響放射の低下を認めたが, 自覚症状や純音聴力検査の変化の方が先に現れた。
本例をふまえ, 耳音響放射を用いた薬剤性難聴のモニタリングにおける課題について考察を加えた。

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