2003 年 46 巻 3 号 p. 195-200
FM補聴器は簡便に用いることのできる教育現場での補聴システムの一つである。 その有効利用には教師の協力が不可欠であり, 教育委員会を含めた教育側への啓蒙を我々耳鼻咽喉科医は行っていく必要がある。 今回大阪府下の全教育委員会に対し, FM補聴器の小中学校における使用状況を質問紙法で調査した。
大阪府下全44市町村のうち43市町村は, 補聴器を装用し聾学校以外の小中学校で学ぶ児童生徒の実数を把握していた。 補聴器を装用している難聴児童生徒がいる33市町のうち22市町ではFM補聴器を利用していた。 その児童生徒数は小学校63校89名, 中学校16校20名である。 難聴児童生徒総数に対する割合は小学校61%, 中学校44%であった。