2007 年 50 巻 6 号 p. 627-641
聴性誘発反応 (Acoustically evoked potentials: AEPs) のうち, 聴性中間反応 (MLR), 頭頂部緩反応 (SVR) を中心に, 各種反応の連絡性, さらにはその臨床応用に関し, 著者らの経験並びに文献的な考察をふまえ概説した。
聴性誘発反応には聴性脳幹反応 (ABR) の他にも臨床応用可能な反応がある。最新のIT機器を駆使して, まだ解決をしていない高位中枢由来の聴性反応の安定性と再現性の向上に取り組んでみる必要がある。これらは他覚的聴力検査として如何に画像検査が進歩しようと, 中枢病変の補助診断法としての意義は変わらないと信ずる。