AUDIOLOGY JAPAN
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人工内耳を2~4歳台に装用した先天聾児の就学時における言語能力およびそれに影響する要因の検討
加藤 敏江中山 博之服部 琢浅見 勝巳加藤 智浩稲垣 祥子柴田 康子江崎 友子
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2008 年 51 巻 1 号 p. 54-60

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抄録
今回, 我々は人工内耳 (以下CI) を装用した就学児の言語能力に関係する要因を検討するとともに, 普通学校と聾学校の就学児の言語能力等の違いを比較した。対象は当センターで2~4歳台にCIの埋め込み術を受け, 平成14~17年度に就学した, 明らかな発達障害が認められない先天性高度感音難聴児28名である。
就学時の言語能力と認知能力と語音聴取能をWISC-III知能検査と語音聴取検査から求めた。これらの結果に, 難聴が確定しハビリテーションを開始した年齢, CI装用前の言語発達, CI装用開始年齢, CI装用期間を加えた7要因間で相関を求めた。その結果, 就学時の言語能力は他の6要因のすべてと有意な相関が認められ, なかでも語音聴取能と最も相関が強かった。また対象児の半数が普通学校に就学した。そして普通学校就学児の大半で就学時の言語能力と認知能力および語音聴取能が聾学校就学児より良好だった。
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