オーストリア文学
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劇評  トーマス・ベルンハルトの『伐採』とクリスチアン・ルパの演出        寺尾格
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2017 年 33 巻 p. 25-28

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抄録
トーマス・ベルンハルトの小説『Woodcutters―伐採―(Holzfällen) 』を原作とする日本語字幕付きポーランド語の上演が、ポー ランドの巨匠とも言われるクリスチアン・ルパの翻案・美術・照 明・演出で行われた。フェスティバル・トーキョーの目玉企画であ る。様々な凝った工夫によって、四時間半の長丁場にもかかわらず、 ほとんど苦痛を感じさせずに緊張感を持続させて、非常に良い舞台 であった。ただし本邦初のベルンハルト作品の本格上演であったこ とを考えると、やはり「原作」と「翻案」と「演出」、何よりも「ド イツ語」と「ポーランド語」による印象の相違が、かなり大きかっ たようにも思える。
© 2017 オーストリア文学
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