抄録
教育におけるデジタルデバイスの日常化が進んでいる。学生・生徒、教員のデジタル環境は学校現場に留まらず、自宅や課外・屋外にまで及ぶ。このような中で、従来の境界防御型、セキュリティレベルによるネットワーク分離では、学生・生徒の自ら学ぶ協動的学習の実現や、教員の柔軟な働き方も妨げている一因となっていた。さらにUSBメモリによるデータの持ち出しは、しばしば情報管理上の問題にもつながった。奈良市では令和5年5月より、多様な教育の実現と教員の柔軟な働き方を目指して、ゼロトラストアーキテクチャによるセキュリティ環境を構築し、クラウドを活用することで従来の紙ベース業務を排した教員のマインドチェンジを図っている。ここでは、ゼロトラストアーキテクチャ導入に際する考慮した事項や、現実に構築した構成、さらに教育現場での活用事例、またDX化による校務連携による業務改善とその効果について報告する。