2024 年 2 巻 1 号 p. 29-32
日本特殊教育学会第61回大会自主シンポジウム「わが国における場面緘黙研究の現在と今後の方向を考えるIX」において話題提供された公立高校入試の課題を場面緘黙のある生徒が抱える困難から再確認した。そして、場面緘黙のある生徒が現在行われている公立高校入試を受験する上でどのような困難があるのかを、「令和5年度高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)」結果からまとめた。最後に、公立高校入試において、場面緘黙のある生徒に適切な配慮を行うためにはどうすれば良いかについて、2007年の特別支援教育改革において構築された推進体制及び2017年に文部科学省から出された「発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン」を基に点検と改善を行うことでこの問題に対応することを提案した。