この研究の最終目標である線量評価は、PHITSコードを使用したCT装置を構築し、臨床データから作成した人体ボクセルファントムに対してX線照射を行うシミュレーションを実施して、人体の各臓器の被ばく線量の推定を行った。これらの調査および実験による結果として、成人日本人男女の体型の特徴から、CT検査時の臓器線量の補正値について、JM、JFファントムおよび臨床データと有効直径(ED)との関係性を明らかにすることができた。また、JM、JFファントムの臓器線量の値と臨床データの臓器線量の比較を行い、最終的にファントムの臓器線量から臨床データの線量の推定を行うことが可能となった。この結果、JM、JFファントムと体型の異なる臨床における被験者のCT検査時の、臓器被ばく線量を±10%以内の誤差で推定することが可能であった。