1995 年 1995 巻 49 号 p. 39-50
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日本栽培漁業協会百島実験地(広島県)のマダイ種苗生産池で,底棲性かいあし類ハルパクチクス類の微細分布に関する研究を1980年7,8月の昼間に行った.調査には,内径16mmのチューブを49本束ねた(7×7本)コアサンプラーを用いた.2回の調査で,それぞれ主要種7種を解析の対象とした.主要種は,集中分布をしていた.また,主要種それぞれについて各コアを平均よりも分布密度が高いコアと低いコアに分けた場合,それらはランダムに混ざりあって分布していた.主要種間には,互いに排斥しあって分布する傾向はなく,重なり合って分布する傾向が見られた.同一種内では,抱卵雌と生殖連結をしている雌雄が分布密度の高いコアに出現する傾向が見られた.これらの結果は,生殖期間中にはパッチを形成する主要因は種間競争ではなく,生殖活動であることを示唆している.