2016 年 23 巻 p. 43-48
厚木市森の里青山にある森の里C調整池において、コガモの観察を2011年より実施した。その結果、以下のことが明らかになった。
①最大羽数は、2015-2016年を除けば、概ね100羽前後で、2月にピークを示すことが多い。神奈川県の定線調査で報告されている羽数で比較すると上位に入る羽数である。
②昼間はC調整池で主に休息・睡眠を行い、夜間に採餌のために移動する。移動の時間は、日の出前・日の出後の暗い時間帯に行われ、日の出時間が早くなるにつれて、飛来する時間が早くなり、日の入り時間が遅くなるにつれて飛び去る時間が遅くなった。また、数羽から10数羽程度のグループで飛来・飛去する傾向が認められた。
③陽射しの移動に伴い、コガモが休息・睡眠の場所を移動させている可能性が高い。
④観察数の日間変動は激しい。
⑤雌雄の性比は、エクリプスの影響がなくなると思われる年明け1月以降終認までの期間、雄の数がやや多いものの、概ね1:1の比率である。