バイオインテグレーション学会誌
Online ISSN : 2186-2923
細胞シート技術を用いた歯周組織を有するインプラント作製の可能性
岩﨑 剣吾石川 烈
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 11 巻 1 号 p. 11-17

詳細
抄録
組織工学や再生医療分野における目覚ましい研究の発展により、人体のさまざまな疾患や機能不全となった組織に対して、体外で培養した細胞を用いた細胞治療の可能性が広く提唱されている。歯科領域においても、種々の口腔組織の再生や、歯周病、歯髄炎、粘膜疾患、唾液腺疾患など、あらゆる疾患に対して、細胞を用いた新規治療の開発研究が日々行われている。私共は歯周病の進行によって失われた歯周組織の再生を研究目的として、細胞移植による歯周組織再生の可能性について検討してきた。その中で、簡便かつ確実に細胞を移植する方法として細胞シート技術の歯周組織再生における有用性を見出した。さらに、本技術を用いてチタンインプラント表面への歯周組織再生についても検証した。本総説では、細胞シート技術とそれを用いた歯周組織を有するインプラント作製の可能性について概説する。
著者関連情報
© 2021 一般社団法人バイオインテグレーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top