バイオメカニズム
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3部 スポーツの計測・評価
速度変化を伴うボールバウンシング課題の動作円滑性の評価
岩見 雅人田中 秀幸木塚 朝博
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2014 年 22 巻 p. 167-176

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抄録

スポーツ場面等において, 熟練者は状況の変化に応じて動作を円滑に切り換えることが可能であるが, 未熟練者ではギクシャクした動作となってしまう. そこで本研究では, 速度変化を伴うボールバウンシング課題時の上肢筋活動と円滑性を, 熟練度の差異から比較検討することを目的とした. 対象者はバスケットボールの熟練者と未熟練者とした. 実験の結果, 熟練者群は未熟練者群より上肢筋の同時収縮量, および円滑性の指標である上肢関節角躍度のZero-crossing数が低値を示し, より滑らかな動作切り換えが可能であったことが捉えられた. これらの結果から, 熟練者群は, より同時収縮が少なく 「緩衝型」 の円滑なボールバウンシングを行なっており, 一方で未熟練者群は関節を固める 「衝突型」 の動作戦略を用いていたことが示唆された.

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© 2014 バイオメカニズム学会
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