バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
Online ISSN : 1884-8699
ISSN-L : 1884-8672
工学研究会バイオフィリア リハビリテーション学会研究部会
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研究報告 (復刻)
視線検知技術の改良と産業分野(消費者動向調査手法)への応用
平成17年度大学発事業創出実用化研究開発事業 (事前調査事業)
高田 一松浦 慶総
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p. 77-84

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抄録

消費向上の為に、陳列方法の改善や商品のラベルのあり方を改善するなどのためにアイカメラを用いた消費者視線動向調査が行われている。販売店内に於ける調査の自由度を高める事を目的に、これまで開発した技術を基礎に、汎用性を高めた視線検知技術のソフトウェア開発可能性調査、多カメラによる同時収集データの解析可能性調査、実施に伴うプライバシー侵害等の個人情報保護とRD実施に向けた事業可能性に関する調査研究を行った。助成事業の実施体制概要は、横浜国立大学高田一教授の「顔上の特徴点である両目頭と鼻の穴から構成される三角形を特定し顔の向きを抽出し、黒目像の境界を楕円と考えて近次しフィルタリングによる手法で視線特定可能とした」研究成果を基礎に、シビル株式会社を資金提供事業者として、基礎技術として開発が進んできた視線検知ソフトウェアの実用ベースでの機能性確認と共に、告知をする事無く行う消費者動向調査に関する諸課題をバイオフィリアリハビリテーション学会の協力を得て委員会を設け、助成事業により実用化研究開発につなげる事前調査を実施した。スーパーなどで、顧客が歩いている場合や複数の人が映像に映った場合でも、技術的には視線を検知することは可能だが、顔の映像を残すシステムでは肖像権の面から難しい。個人情報保護法の規制は今後益々強化される動向にあり、顔の映像を残さずに視線だけをデータとすることが可能な本件、視線検知方法が今後許容される数少ない方法の一つとなる可能性がある。しかし実用化には個人情報保護法との社会的な整合を、慎重に検討する必要がある。一方、四肢麻痺患者等のための視線入力装置としては十分に活用できる可能性がある。

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© 2013 バイオフィリア リハビリテーション学会
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