バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
Online ISSN : 1884-8699
ISSN-L : 1884-8672
工学研究会バイオフィリア リハビリテーション学会研究部会
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研究報告 (復刻)
創動運動用上肢訓練器兼用リフト機器開発に関する研究調査
平成13 年度課題対応新技術研究調査事業 管理番号13-69 技術分野 ⑥医療福祉技術分野
滝沢 茂男
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p. 90-104

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抄録

下肢運動器の開発により、脳血管障害の後遺症により発生する尖足拘縮の予防あるいは尖足拘縮を呈している状態の患者に、高い効果を上げている下肢創動運動の実施を研究し、実現している。上肢に関しても、同様な効果を上げ得ると考えるのは合理的である。 本研究は、一つの器具により、①創動運動により介護から自立にすすめるために在宅で利用が可能な上肢訓練装置及び、②移動に障害になる敷居段差等を持つ使用環境に於いて、敷居段差を自由に越える等取扱いが容易で、かつ使いやすく、介護と障害者の自立の両面から役立つ介護用リフト装置の二つの機能を持ち、狭いスペースを有効に利用できる車輪移動式のリフトの開発を目的とした。 「デザイン・アンケート調査指導」、「上肢訓練用部品懸架装置の研究指導」、「昇降ガイド部の研究指導」、「パワーアシスト装置の研究指導」、「需要予測、デザイン・アンケート調査指導」を、専門家の指導を得て、文献及び先行技術の調査、実験を実施し、国際福祉機器展及びリハビリテーション・ケア大会さらに全国の関係施設において「運転牽引アームの形態、素材調査」、「アンケート調査」し、その総括を行った。技術調査において、各調査事項を実施し、各部品が開発可能であることを確認した。たとえば、昇降ガイド部は機器収納部から立設しており、昇降部、運転牽引アーム、昇降駆動部、昇降駆動制御部からなるが、市販機器、関係文献の調査及び専門家の知見を聴取により、容易に開発可能であると結論した。アシスト機構装置研究に関しては、装置を搭載した機器は自重が重く、アシストがないとブレーキ状態になるが、更に安全性を高めるために、ソリによるブレーキ機構が重要であることが判った。試験研究においては、予定した脚部構造物の試作およびソリ:強剛性素材による試作の試作研究を行った。神奈川県産業技術研究所において、ソリのたわみ試験、段差乗り上げ試験、前輪段差乗り上げ繰り返し走行試験、懸架装置強度試験を行い、利用可能な摩擦係数を調査し、70Kgの過重を加え、破壊の状況を調査した。アートスタジオグラフィック(介護用リフト)を作成し、調査した。好感度の高い機能的なデザインを確認した。市場調査においても、充分な回答を得られ、商品開発、投入時期を特定した。今後の開発の方向性が確認でき、目的を達成した。

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© 2013 バイオフィリア リハビリテーション学会
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