生物物理
Online ISSN : 1347-4219
Print ISSN : 0582-4052
ISSN-L : 0582-4052
若手の会だより
若手の会だより
~生物物理若手の会九州支部活動報告~
竹森 健太
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2023 年 63 巻 2 号 p. 124-125

詳細

はじめに

生物物理若手の会九州支部長の竹森健太と申します.現在,バクテリアのべん毛モーターのエネルギーと運動の関係性を明らかにすべく,研究活動を行っております.

私は学部1年生時に生物物理若手の会夏学(第60回)に初参加しました.そのため,大学生活当初から本会にはお世話になっており,この度若手の会だよりに寄稿できることを大変喜ばしく思います.このような機会をいただきました,生物物理若手の会会長に心より御礼申し上げます.

今回は,生物物理若手の会九州支部の近況および今後の九州支部で目指したいことを綴ろうと思います.

九州支部の再興

私は昨年より,元九州支部長の野田さんの代役として活動させていただいておりました.当初の九州支部は,活動的なメンバーが少なく,入れ替わりも激しい状態にあり,メンバーが入れ替わる度に「これからの支部の活動方針」について話し合う状態でした.そのため,いくつか輪読会や勉強会などを企画してきましたが,あまり長続きしない状況にありました1)

そのような状況の中,第63回生物物理若手の会夏の学校で校長を務められる佐々葉さんをはじめ,多くの関係者の方々のご厚意により,前回同様2)関西支部と九州支部の共催する運びとなりました.生物物理若手の会夏の学校は,各支部が順番に開催する形式となっています.しかし,九州支部のメンバーの少なさから単独での開催は厳しいだろうという判断で,このような形にさせていただきました.このことが功を奏し,九州支部には新たに3人が加入し,Slack(支部内連絡ツール)の参加人数は17人になりました.私は,この期が九州支部再興のさきがけになると考え,新たな活動を始めました.以後,それらの活動について報告させていただきます.

月例会・輪読会

私たち九州支部は,月例会という名前で月に1度のミーティングを開催しており,支部内の共有事項や今後の九州支部の活動方針などを話し合っております.

月例会により始まった活動に,輪読会が挙げられます.輪読会を開始したきっかけは,志のある学生が揃ったので何かしたいという意見が月例会で挙がったためです.

そこで私たちは月に1回の初学者向けの細胞生物学の輪読会を始めました(図1).九州支部内には,生物系や物理系,医学系などの分野のジャンルや,実験系やシミュレーション系など研究方法にバラエティがあることに加え,新たに研究室に配属された学生や,生物学の基礎的な部分を学ぶ必要性を感じているメンバーがいます.私たちの企画したこの輪読会は,多彩な分野の方々が揃い,様々なポジションからの意見を得ることができるため,有意義な会となっています.実際に参加したメンバーからも好評な意見をいただいており,順調なすべりだしだと思っています.

図1

細胞生物学の輪読会の様子

新年会

また現在の九州支部では,“雑談に価値がある”という考えがあり,ざっくばらんに話す機会を企画しています.その1つに,新年会(図2)が挙げられます.

図2

新年会の様子

私は,昨年岐阜で開催された第62回生物物理若手の会夏の学校に初めて対面で参加した際,同じ志を持つ同年代の研究者たちと実際に話をして,大きな感銘を受けたことを今でも鮮明に覚えています.そのため「新年会も対面で!」と思っていましたが,残念ながら今年の新年会は対面での実施は叶いませんでした.ただし,今年の新年会は,飲み物を片手に研究の話や,進路,悩み相談など研究以外の話も盛んに行われ,大いに盛り上がった良い交流の機会となりました.来年は対面で開催して,九州支部を大いに盛り上げていきたいと思います.

若手の会のすゝめ

普段,私は研究活動を行う中で他大学との交流がかなり少ないと感じていました.その原因の1つとして,九州は都内に比べて大学が少なく,大学間も距離があるため対面での交流がしづらいことが挙げられます.また,私が所属している研究室には博士課程後期の学生はおらず,学生間での研究全般の相談やお手本が不十分でした.

私は,早く研究がしたいと思い,学部2年生から現在の研究室に通い始めました.一方で,周りとは違う生活をしていたために不安に感じることも何度かありました.

そのような中で,若手の会と繋がったことは,同じように学部の早いうちから研究室に通っている仲間と出会う機会となり,研究に対する意識にブレイクスルーを与えてくれました.また,大学間・世代間を超えた多くの学生との繋がりもでき,現在は,若手の会の様々な学生と交流をすることが,研究へのモチベーションの1つとなっています.

多くの学生と繋がることができる点は若手の会の強みであり,皆さんにおすすめしたいです.

支部員の構成

現在九州支部に所属している学生は,九州大学,九州工業大学,沖縄科学技術大学院大学(OIST)などの所属です.学部生から博士課程後期,社会人まで幅広い世代の方が所属しています.研究分野にもバラエティがあり,皆さん個性的で面白く,話しやすい方々です.

支部メンバーはいつでも募集しております.ご興味のある方はお気軽に連絡ください.九州支部への参加希望および若手の会への入会希望は生物物理若手の会事務局(連絡先:bpwakate@gmail.com)までお願いします.

今後の活動

現在九州支部では様々な輪読会や勉強会を考案・企画しています.例えば,メンバー間の分野の違いを活かした分野紹介・勉強会,Pythonなど多くの研究に使えるツールの勉強会などがあります.

また私たちは,“雑談に価値がある”という考えのもと,「研究あるある」などの気軽に話せる場も作りたいと考えています.

個人的には,今後の九州支部は多くの学生にとって学びや交流ができる場であってほしいと思っています.分野の近い人には現在の研究のディスカッション,異分野の人とは多角的なディスカッションなどの学び合いができる環境を作れるよう頑張っていきます.さらに,九州支部内の交流から共同研究などに発展できれば,非常に面白いと思っています.

最後に

この度新たに九州支部に加入してくださったメンバーをはじめ,九州支部を支えてくださっています全ての方々に心よりお礼申し上げます.

私はこれまで若手の会の皆様に大変お世話になりました.そして,この執筆をはじめ,第63回生物物理夏学などで若手の会を盛り上げることができることを大変喜ばしく思います.今後も若手の会の仲間と共に,多くのことを学び・交友を深めることができればと思います.

夏の学校で見かけたら気軽に声をかけてください!.全身黒ずくめなのでいい意味で目立っていると思います.いい意味で!,もう一度言います,いい意味で!!

皆様,良き研究人生を共に楽しみましょう!

文献
  • 1)   岩下 皇藏(2021)生物物理 61, 345-346. DOI: 10.2142/biophys. 61.345.
  • 2)   荒谷 剛史(2019)生物物理 59, 169-170. DOI: 10.2142/biophys. 59.169.
 
© 2023 by THE BIOPHYSICAL SOCIETY OF JAPAN
feedback
Top