γ-Tubulin Ring Complex(γ-チューブリン環複合体)の略号.細胞内のα/β-チューブリンダイマーは,自発的核生成が可能なほど高濃度でなく,細胞はγ-TuRCをTemplate(重合の足場)として微小管の核生成を行うことが知られている.γ-TuRCは,γ-チューブリンと数種の蛋白が結合した円錐形の蛋白複合体で,先端にあるγ-チューブリンのリングにα/β-チューブリンダイマーが結合することにより,微小管がスタートする.最近ではγ-TuRCを介さない細胞内核生成もあることが明らかになりつつある.(299ページ)(今井,武藤)
細菌に広く存在するアクチンスーパーファミリータンパク質.ATP加水分解活性を持ち,短い逆並行のダブルフィラメントを形成する.細胞壁のある細菌において細胞壁合成の足場として働く.(303ページ)(木山ら)
機械的傷害や化学物質などの物理化学的ダメージによる受動的な細胞死(accidental cell death)と異なり,細胞内の特定の分子やシグナル伝達によって引き起こされる細胞死のこと.(310ページ)(平田,松沢)
電解液中に懸濁している粒子の数と大きさを,コールター原理と呼ばれる電気抵抗法によって測定する装置.粒子が装置の検出部を通る際に生じる電気抵抗の発生頻度や大きさを測定することで,粒子の数や大きさが算出される.(310ページ)(平田,松沢)
細胞膜を透過できないカチオンで,しばしば,等張性を維持したまま溶液中からNa+を除去する上で,その代替として利用される.pKaは9.5(20°C)であり,中性付近ではイオン化していることから,NMG+と表記している.(311ページ)(平田,松沢)
酵母細胞の表面に標的組換えタンパク質を提示するタンパク質工学の手法.各細胞にタンパク質をコードするプラスミドDNAを導入することで,提示されたタンパク質の表現型と遺伝子型が対応する.(313ページ)(堤)
古典的・非古典的Wnt経路の双方を仲介するFrizzled受容体直下の細胞内シグナルタンパク質.ヒトでDVL1-3の3つのサブタイプがある.変異によりショウジョウバエの体や翅の毛が乱雑に生えるようになることから名付けられた.(315ページ)(堤)
乳がんはエストロゲン受容体とプロゲステロン受容体,およびHER2受容体の発現量から4つのサブタイプに分類される.トリプルネガティブは,いずれの受容体の発現も欠如しているサブタイプのひとつであり,他と比較して予後不良であることが知られている.(322ページ)(井元,岡田)
確率的に時間発展する系の最適な制御を扱う確率最適制御理論における問題設定の一つであり,系を確率的にしか観測できない状況で不確実性を考慮しながら最適に制御する方策を扱う.(325ページ)(中村,小林)
時系列データを説明するモデルの一つで,データの背後に時間発展する状態変数の存在を仮定し,各時刻で状態変数に何らかの観測をして得られた結果としてデータを扱う.推定や制御の問題設定を記述できる.(326ページ)(中村,小林)
連続時間で変化する状態変数の統計的性質と時々刻々蓄積される観測データに基づいて,状態変数に対する推定を適切に更新する方法を表す方程式である.(327ページ)(中村,小林)
所与の時刻・状態から最適制御を始めることで最終的に得られる利得を表す価値関数が満たす偏微分方程式である.HJB方程式を解いて得られる価値関数で最適制御則を表すことができる.(327ページ)(中村,小林)