生物物理
Online ISSN : 1347-4219
Print ISSN : 0582-4052
ISSN-L : 0582-4052
支部だより
支部だより
~関西生物物理学研究会~
冨樫 祐一
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2023 年 63 巻 6 号 p. 336-337

詳細

開催予告

第1回関西生物物理学研究会(仮称)

日程:2024年3月18日(月)~19日(火)

会場:大阪大学豊中キャンパス 大阪大学会館(大阪府豊中市待兼山町1-13)

内容:生物物理学に関する研究発表会・交流会

対象:生物物理学や関連分野の研究者,興味関心のある学生など.日本生物物理学会の会員・非会員,所属機関が関西地区にあるか否かを問わない.

使用言語:基本的に日本語.英語での発表も可能.

詳細は下記に掲載していきます.

https://rits.togashi.tv/bpkansai/

背景

……と,このように研究会の予告から始めますと,読者のみなさまには,支部だよりでなぜ? と思われるかも知れません.

突然ですが,みなさまの中で,日本生物物理学会近畿支部の支部会に参加されたことのある方はいらっしゃいますか? そうです.遠い過去はわかりませんが,少なくとも私の知る限りにおいて,近畿地区の支部会は開かれていません.

とはいえ,「支部だより」の執筆を依頼されて「近畿支部は存在しない」で終わっては身も蓋もありません.どうにか「支部会」を開催しようと動き始めました.

ことのはじまり

遡ること1年,2022年度函館年会で図1のようなチラシを受け取られた方もいらっしゃるかも知れません.「日本生物物理学会関西支部(仮称)設立準備有志」を名乗り,「関西からお越しのみなさまへ」と見るからに怪文書という風情ですが,これを配っていた呼びかけ人が筆者(冨樫)です.

図1

関西支部設立を呼びかけるチラシ

とはいえ,この活動は1人だけの力で始められたものではありません.きっかけは原田慶恵元会長からの1本の電話で,この辺りには支部がないので新たに作り直したいとのお話でした.たしかに言われてみれば,ずっと長いこと支部がないままやってきたため,大阪勤務になった2007年以来それが当たり前になっていました.その後は神戸から広島へと移り,前年に関西(滋賀)に戻ったばかりでしたが,広島で見た中国四国支部会の印象が良かったこともあって,旗振り役を引き受けることを約束しました.

函館年会でチラシを配っていた際にも,多くの方から賛同や応援のコメントをいただきました.その一方で,検討を進めるにつれ,これは意外に難題かも知れないと思い始めました.なにしろ,他の各支部は日本生物物理学会の法人化前から長く続いており,今も独立した団体として存在しています.法人化後の学会の定款には「支部」の文言があり,地方支部を作れるようにはなっているのですが,そうすると今度は他支部とは違った形になり,理事会にお伺いを立てないといけないか,などとも考えます.「関西生物物理学会」が良いのではないかという御意見もありました.

ひとまず,他支部と同様に独立した形にするとまでは決めたものの,そうなると学会本体にあまり御迷惑をおかけするわけにもいかず,どうやって対象者をリストアップして呼びかけようかと次の一手を検討しているうちに時間が経っていました.私自身の状況の変化もあり,数ヶ月も棚上げしてしまったことは申し訳なく思っています.

支部の意義は?

私見ですが,長らく支部がなく,しかもそれが意識すらされなくなっていた理由は,京阪神エリアの生物物理があまりにも強かったからだと思っています.思い起こせば,大学院生の頃の生物物理若手の会には,関西支部と別に京都支部がありました.東京にいて関東支部で夏の学校を企画していたこともあり,首都圏でもこの程度なのに関西は面白いひとが大勢集まっていてすごいという印象を持っていました(その吸引力たるや,筆者は若手の会関西支部の懇親会に新幹線で参上したことがあります).内部のメンバーだけで研究会ができてしまうほどのビッグラボや共同研究グループも多かったように思います.

一方で,大きな樹から飛び出して,細々と研究室を運営する立場から見ると,新たなネットワークが必要になっていることも事実です.教員は昔なじみの仲間と議論すれば良いとして,学生が参加しやすい場は多くはありません.若手の夏の学校はありますが,学外での大きな研究発表の場として学会年会が初めてとなると,そこでいきなり英語で発表することには抵抗のある学生が多いようです.学内で機会を設けようにも,小規模な大学や学部では難しいでしょう.

そこにコロナ禍で対面での研究交流の機会が激減し,修士の2年間ずっと対面で学会に出たことがないという学生も現れました.オンライン学会のほうが良い点もありますが,フォーマルな発表と質疑応答以外の部分での情報交換や,新たな共同研究などをブレインストーミング的に始めることに関しては,現時点の情報通信技術ではまだ対面での学会に分がありそうです.年1回の学会年会だけでは,特に年限のある学生にとっては回数が限られています.

他支部を見ていますと,形式はどうであれ,学生・若手がまず初めに(日本語ででも)研究発表・議論できる場を「支部会」として提供することが最も大切な役割のように思われました.先に挙げた中国四国支部会はかなり活発なように見えました.

名より実を取る

そうこうしているうちに,「支部だより」を書いてほしいという依頼が舞い込みました.幽霊部員の近畿支部ですが,例年,なにごともなかったかのように,研究グループや施設の紹介,アウトリーチ活動の報告などの記事が書かれています.それならば,無理に「支部」を作るより,まず「支部会」のような研究会を勝手に始めてしまえば良いではないかと思い至りました.関西生物物理学研究会(仮称),これなら会場が関西というだけで誰が来ても良いわけで,対象者を特定して個別に案内を送る必要もなくなります.何より,この「支部だより」の原稿〆切に間に合います.

関西生物物理学研究会,始動

去る9月23日,原田元会長を含む数名の有志(図2)で集まり,まず日程と場所だけは決定しました.それが冒頭の開催予告です.プログラムや発表・参加申し込み方法など,詳しくは追ってWebサイトに掲載していきます.

図2

第1回実行委員会の様子

具体的な内容の検討はこれからですが,主に学生をはじめとする若手の発表機会としたいと考えています.年度末の3月半ばは慌ただしい時期ではありますが,卒研・修論を頑張った学生の締めくくりの場として,6月の京都IUPAB2024に先だってまずは日本語で発表してフィードバックを得られる場として,あるいは1年後の進学先や職を求めてぜひ自分の研究を見てほしいという学生・若手研究者のアピールの場として,活用いただけるのではないかと思います.ひとまず200人以上来ても大丈夫な箱だけはおさえてあります.ぜひ,若手もシニアも含めて多くの方々に御参加いただき,研究交流を深めたいと思います.

余談ですが,近畿でなく関西とした理由は,各支部の規約を調べていたとき,中部支部での「中部地区」の定義に三重県が入っていることが判明し,領域侵犯にならないかと思ったためでもあります(新潟県が関東にも中部にも入っているといった興味深い事実も判明しましたが).とはいえ,今回は支部を作るのでなく,会場が関西というだけですので,もちろん三重県からも,あるいはもっと遠方からでも歓迎です.

みなさまの御参加をお待ちしております!

 
© 2023 by THE BIOPHYSICAL SOCIETY OF JAPAN
feedback
Top