核内に豊富に存在する小分子noncoding RNAの1種で,RNAポリメラーゼIIによって転写される,U1,U2,U4,U4atac,U5,U7,U11,U12と,RNAポリメラーゼIIIによって転写されるU6,U6atacがある.多数のRNAとタンパク質からなる超分子複合体であるスプライソソーム内の主要な構成成分としてmRNA前駆体のスプライシングに機能する.成熟したsnRNAには多数のRNA修飾が見られる.(72ページ)(藤原,廣瀬)
核小体に豊富に存在する小分子noncoding RNAの一種であるsnoRNAとタンパク質の複合体.哺乳類では,多くのsnoRNAは他の遺伝子のイントロン部にコードされており,スプライシングとその後のプロセシングによって成熟型snoRNAとなる.主に核小体で前駆体rRNAの修飾とプロセシングに機能する.配列と二次構造の特徴からbox C/D型とbox H/ACA型の2つのファミリーに分類され,box C/D snoRNAはリボースの2ʹ-O-メチル化に,box H/ACA snoRNAはウリジンの異性化(シュードウリジン化)にそれぞれ関与する.(73ページ)(藤原,廣瀬)
カハール体に局在しbox C/Dとbox H/ACAの配列モチーフを持つsnoRNAに類似した小分子noncoding RNAのscaRNAとタンパク質の複合体.snRNAのリボースの2ʹ-O-メチル化およびウリジンの異性化(シュードウリジン化)に関与する.(74ページ)(藤原,廣瀬)
動物の生殖細胞で高発現する小分子noncoding RNAであり,主にトランスポゾンに由来する.ArgonauteファミリーであるPIWIタンパク質と複合体を形成して,相補配列をもつトランスポゾンの発現を転写レベルおよび転写後レベルにおいて抑制することで生殖細胞のゲノムを保護している.(74ページ)(藤原,廣瀬)
細胞が培養基板に対して付与する力を可視化・解析する手法.ゲル細胞培養基板中に蛍光ビーズを埋め込み,細胞が力をかけた際の蛍光ビーズの変位から細胞が生じる力を算出する.(86ページ)(日野,平島)
不定形の物体(流体,組織中の細胞など)の局所的な速度を解析する手法.連続する画像中の輝度値パターンの変化から速度の時空間的な変化を捉える.(87ページ)(日野,平島)
ヒストンに生じる翻訳後修飾のパターンが暗号(コード)のように働き,特定の遺伝子発現の活性・抑制を調節しているのではないかという仮説.2000年にデビッド・アリス博士により提唱された.(96ページ)(小沼)
ある共通祖先から分岐した異なる生物が,共通祖先が有していた遺伝子を持つとき,それら遺伝子をオルソログと呼ぶ.すなわち,オルソログは種分岐の過程で生じる遺伝子であり,構造や機能が類似することが多い.(98ページ)(岩間)
脂肪酸のカルボニル基の炭素原子から9番目と10番目の位置の炭素間結合に二重結合を導入する酵素.同様に,Δ12は12番目と13番目の間,Δ15は15番目と16番目の間に二重結合が導入されることを表す.(98ページ)(岩間)
炭素源と無機塩のみから構成される培地であり,対象とする微生物や細胞の栄養増殖に必要最低限な成分を含む培地.(98ページ)(岩間)
植物由来の化合物であり天然の抗がん剤.微小管の脱重合を阻害することで,がん細胞の分裂を阻害し,増殖を抑制する.主に卵巣がん,乳がん,非小細胞肺がん,膀胱がん,膵臓がんの治療に利用されている.(101ページ)(渡邉)
入射する光の偏光角度をθ,光軸とミオシン繊維の角度をθ0とすると,アクチン線維に結合したミオシン繊維から発せられるSHG光の強度は,以下の式で近似される.
I(θ) = A[{γ cos2(θ – θ0) + sin2(θ – θ0)2 + {sin2(θ – θ0) + δ sin2(θ – θ0)}2]
ここでアクチン線維とミオシン繊維からなる構造が結晶学的に対象であるなら(ミオシンアイソフォームが含有されていないなど),δ = 0となり,以下のようにSHG光はひとつのパラメータγのみで近似することができる.
I(θ) = A[{γ cos2(θ – θ0) + sin2(θ – θ0)}2 + sin2 2(θ – θ0)](102ページ)(渡邉)
化学プローブは直接光学測定が行えない化学種について測定を可能にする化学的ツールで,抗体等の識別部位と色素等の標識部位から構成される.特にラマン分光用にデザインされた標識をラマンタグと呼び,ラマンスペクトル測定により検出・定量が行われる.(104,106ページ)(西山ら)
細胞や微粒子の高スループット非破壊分析に使用される技術で,それらをマイクロ流路中に流しラマン分光法によるスペクトル測定を行うことで,含まれる化学種の検出および定量を行うことが可能となる.(104ページ)(西山ら)
細胞表面に発現する抗原たんぱく質であり,細胞種ごとにその発現パターンが異なる.抗原抗体反応により容易に標識が可能なことから,抗体を含む化学プローブにより検出され細胞種の同定が行われる.(106ページ)(西山ら)